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女性研究者育成と研究の多様性

2016-05-11 10:41:52 | 時事
先日愛媛大学の先生のタイトルの内容のコラムを読みました。女性研究者育成については色々な大学での取り組みが始まっているようです。

愛媛大学でも2020年までに女性教員を18%にするという目標を掲げて、女性が研究しやすいような学内保育所の設置など進めているようですが、実際問題としては難しいようです。また愛媛大学だけではなく、地方大学共通の問題として少子化があるようです。

具体的な数値が出ていますが、愛媛県では2013年の出生者数が10,696人であり、この子供たちが18歳になる年、愛媛大学の定員は約1,800人なので、通常の3倍程度の受験者数を確保するためには、愛媛県内の18歳の半数が受験しなければいけないことになるようです。これは全国の大学が抱える共通の問題かもしれません。

女性研究者の育成については、私も若干かかわっていたことがあります。もう15年も前ですが、ある研究助成をする財団に出向していました。この財団の最大の事業が、若手研究者に研究費を助成するという物で、当時は1件200万円を20数人に出していました。

具体的には研究計画書を公募し、大体120件ぐらいの応募がありますので、それを選考委員の先生方に審査してもらい、決定するという流れでした。このとき通常女性研究者は2人ぐらいしか入りませんでした。ちょうどこの頃から女性研究者育成という風潮が出始め、私のいる財団も、もう少し女性研究者に力を入れようということになりました。

最初は選考委員の先生方に、その趣旨を伝える程度でしたので、全く変わりはありませんでした。そこで女性からの申請書(20件以上はあります)の中から良いものを数件選び、それを優先してもらうようお願いしました。選考委員の人も、女性研究者の育成ということに賛同してもらえているのですが、実際の評価ではあくまでも内容から公正にされるようで、女性が増えることは有りませんでした。

結局助成金額をやや減額し、女性枠を別に設け女性の申請者だけ別に評価するという制度に変えることで、6,7人の女性に出すことができるようになりました。これは女性研究者の能力というよりは、絶対数の問題の様でした。

この時ある大学の先生が、学生数でいうと女子が30%になっているのに、女子教員は6%しかいないということでした。

愛媛大学の先生の話に戻りますが、現在の文系の研究をあまり推進しないという風潮も問題のようです。タイトルにあるように、現在の研究は多様性が増しており、一つの学問分野だけでは解決できない課題が増えているようです。特に文系では多くの分野からの視点で解決に当たる必要があり、そういった方向は女性に向いていると提言しています。

私は理系のことしかわかりませんが、時間が不規則になる研究の中で、どういう風に女性に活躍の場を与えるかは難しい問題です。