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危険な血糖値上昇と正常な血糖上昇

2022-05-10 10:28:54 | 健康・医療
健康診断などで血糖値が高いとすぐに糖尿病を疑う傾向がありますが、この血糖値上昇は正常な場合もあるようです。

私は健康診断の時食事を抜いたりしませんので、血糖値は高めに出ていますが、今のところ問題はなさそうです。

糖質類を摂って血糖が高くなる場合には二つの可能性があります。ひとつ目は糖質を身体の細胞内に取り込ませるインスリンの分泌力が低下している場合です。ふたつ目はインスリンはきちんと分泌できているのに、インスリンの効きが悪くなっている場合です。

日本人は欧米人と比べてインスリンの分泌が低下していることが多いのですが、糖尿病が少ないのはインスリンの感受性が高いためと考えられています。逆に欧米人は「インスリン抵抗性」といわれる二つ目のタイプが多いといわれています。

あるものを食べたときの血糖の上がりやすさを「グリセミックインデックス(GI)」といいます。GIは食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血糖値の上がりやすさを計ったものです。

もともとは糖尿病の人が炭水化物を取るときに、できるだけ血糖を上がりにくくするために考案された指標です。これもあくまでインスリン抵抗性のある人が問題であり、健常な人がGIの高い食事をとったからといって、いきなり高血糖症になるわけではありません。

ここでインスリンの働きを簡単にまとめますが、インスリンは身体の細胞に働きかけて細胞の表面にあるブドウ糖の取り組み口を開け、細胞内にブドウ糖を取り込ませます。

インスリンは血糖値を下げるだけではなく、ブドウ糖や脂肪を細胞内に取り込み、エネルギーに変換するのを助け余分なエネルギーを脂肪細胞に蓄える作用があるのです。

さて高血糖の状態が続くと、身体にとって二つのことが起こるとされています。最近の研究で高血糖は、直接的に活性酸素の発生を促し、血管に酸化ストレスを与え動脈硬化を促進することが分かってきました。

その結果糖尿病の合併症や心筋梗塞、脳卒中のリスクが高くなると考えられています。もうひとつが血糖が身体中のタンパク質と結合し「糖化」という現象を引き起こすことです。糖が結合したタンパク質は変性して本来の役割を果たすことができなくなるとしています。

ただし私はこの糖化や最終糖化産物というものに疑問を持っているのですが、その点については改めて取り上げるつもりです。ここではこの糖化によって変性したタンパク質は身体の免疫システムとして異物と認識され、慢性炎症を引き起こすようです。

こういったことがインスリン抵抗性により引き起こされ、糖尿病が万病のもとといわれる理由としていますが、個人差は非常に大きいものですので、高血糖の人すべてに当てはまるものではないような気がします。

血液検査で血糖値が高くなった場合は、少しはGIの低いものを選ぶなどで十分ではないでしょうか。


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