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長寿遺伝子「サーチュイン」を活性化させるには

2022-07-01 10:31:51 | 健康・医療
このところ「老化」が色々なところで取り上げられており、中には老化は病気であり治療することができるといった説まで出ているようです。

私は老化はあくまで自然現象であり、個人差は大きいものの防ぐことはできないものと考えています。最近老化とは遺伝子を取り巻く環境要因(エピゲノム)が劣化して起きる現象であるという説が出てきました。

エピゲノムがどのように影響を受けているのかを明らかにし、劣化しないようにコントロールできれば老化をある程度制御できるという説です。遺伝子はデジタル情報ですので容易には変わりませんが、エピゲノムはアナログ情報なので環境に応じて変わることができます。

この環境の乱れによるエピゲノムの劣化が老化の原因であることが最近分かってきたとしています。長寿遺伝子とも呼ばれる「サーチュイン遺伝子」というものが注目を集めています。

このサーチュイン遺伝子にはサーチュイン酵素というタンパク質の設計図が記録されています。サーチュイン酵素は他の酵素と同じように身体の中の化学反応を助ける働きがあり、エピゲノムが劣化するのを防ぐ働きがあります。

エピゲノムは遺伝子を取り巻く環境のことで、どのタイミングで遺伝子をのスイッチがオンになったり、オフになったりを決めています。エピゲノムが劣化すると、正しいタイミングでスイッチがオン、オフされなくなってきます。

サーチュイン酵素というタンパク質は、エピゲノムが劣化しないように見回っています。またこの酵素は障害を受けた遺伝子を修復したり、身体の慢性炎症を抑えたりする働きもあります。

サーチュイン酵素は障害を受けた遺伝子の現場や、炎症が起こっている現場に駆けつけますが、これ自体は身体のバランス(ホメオスタシス)を維持する上で非常に重要なことです。

しかしこれが増えるとエピゲノムが劣化しないように見張りをしていたこの酵素が「人出不足」に陥ることになります。これを避けるためには、サーチュイン遺伝子がストレスのかかった環境を生き残るために保持されてきた遺伝子のため、身体に適度なストレスをかけることが必要です。

具体的には適度な運動や時々絶食をすること、高温や低温に身をさらす(サウナなど)ことがあります。こういった適度な刺激を与えることで、身体はそのストレスに打ち勝とうとし、悪化した環境を生き抜こうとしてサーチュイン遺伝子をオンにするのです。

このように身体の健康な機能を高めるために適度なストレスを与えることを「ホルミシス」と呼んでいます。こういったホルミシスを実践することが老化防止につながるのかは疑問ですが、サーチュイン遺伝子の活性化と長寿との関連は面白いような気がします。


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