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日本の非正規雇用と単身高齢者の低年金問題

2022-01-17 10:27:07 | 時事
正月に「相棒」というテレビドラマの再放送を見ました。被害者は体に色々傷を負いビルの屋上から落ちて亡くなったというもので、この事件を主人公たちが解決するというストーリーでした。

被害者の足取りを追っていくと、大学を出て医療事務の資格も持っているのですが就職に失敗していました。酷い環境で働き下宿も追い出され、「名義貸し」というようなことまでやって何とか生活していましたが、ある事実に落胆し他殺に見せかけて自殺したという物語でした。

この生活のあまりにひどさに現在問題となっている非正規雇用について調べてみました。ほとんどの非正規雇用が必要な雇用といえますが、その職に就く人のうちの4人に1人が問題を抱えているようです。

就労と結婚には深い関係があり、非正規雇用の拡大が未婚化を引き起こしている可能性は否めません。1990年代以降に進行した雇用の不安定化が、少子化の進展に拍車をかけています。

未婚非正規に代表される人の能力をいかに開発し、戦力化していくかはそれほど難しくないような気もします。つまり今の非正規雇用者を強制的に正規化するか、あるいは昔のように新卒一括採用ですべての人を正社員として雇うなどが考えられます。

しかしデータを見ると、非正規雇用者自身が正規雇用の働き方を必ずしも望んでいな姿が浮かび上がってきます。労働力調査によると正規の職につきたいのに、非正規を余儀なくされている人は200万人程度しかおらず、多くの非正規雇用者が自らの都合でその職に就いているのです。

実際に正規雇用者と非正規雇用者の仕事に対する満足度を分析してみると、明らかに非正規雇用者の仕事満足度が高くなっています。多くの人が正規雇用という煩わしい働き方を望んでいないようです。

また非正規雇用がなぜ生まれるのかといえば、そこに社会的なニーズがあるからといえます。例えば配達作業員の仕事が生活を豊かにしていることは確かですが、こうした業務の多くは非正規雇用者によって追行されています。

近年急速に進んだ未婚化は、近い将来に単身高齢者世帯の急増になるかもしれません。厚生年金の受給額は在職時の収入に応じて決まります。働き盛りのころを低賃金の非正規雇用として過ごしてしまうと、十分な年金をもらうことはできません。

多くの人は高齢になっても働き続け、何とか生計をやりくりすることになります。しかし働けなくなったとき、最終的には生活保護で生計を維持せざるを得なくなります。そのため日本社会で進む未婚非正規化が、社会保障財政にも大きな影響を与えることになります。

結局同一労働、同一賃金の徹底ということになりそうですが、これがあまり進展していない現在は暗い未来といえるのかもしれません。


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