動物的個体化は、ある意味で、植物的個体化よりも複雑なものとして考えることができる。しかし、逆に、動物を「起動的な植物」(« végétal inchoatif »)として考えることもできる。その場合、動物は、植物の再生時に現われる諸々の可能性 ― 運動性、受容性、反応性 ― などを保持したまま、自己発展・自己組織化するものということになる。
生命的個体化は、物理的個体化のもっとも早期の段階の相を保持・拡張する、と考えてみよう。そうすると、生きているものは、物理的なものに属し、その速度が弛められ、無限に拡張されつつあるものだということになる。
このように考えると、動物的個体化とは、植物的個体化のもっとも早期の段階にある状態から食物を摂取し、成熟した植物に成る以前の段階にある何ものかを己の内に保ち、とりわけ、植物相においてよりもより長い時間に渡って、「個体形成に必要なものを受け取る能力」(« la capacité de recevoir de l’information »)を保持することだとも考えられる。