深夜、独り帰路をふらふらと歩く。
駅から電車に乗れば、ひどく疲れた人たちが、まばらな車内にうなだれて眠る。
こういう日にだって、容赦無い仕打ちに逢っては、それは疲れるだろう。
同じような想いを抱きつつ、そんな深夜の車内に場違いに安堵する。頭痛眼痛。
自分が辿る帰路は、どうしても空塔をはさんでしまう。それを忘れていた。
途中から不愉快なる異国民の流入。音のヴォリュームを上げて、音楽に耳をゆだねる。
■Culture Club 「The Medal Song (Extended Version)」1984■
キミはよく言っていた
どんなときでも、愛し愛されることが大切だって
そのうちキミは気付いた
感情なんてアテにならないものだって
雨が降ればひどい土砂降りになる
涙まであふれてくる
ココロのなかにも雨が降るとき
ボクは世の中に向かって、こう言いたくなる
人生は二度と昔のようにはならない
人生はいつも移り変わっている
ボクの怒りと喜び
涙と苦しみを通り抜けながら
昔、フランシスが支配していたハリウッドの海の下
誰かのゲームで役を演じるために、「かれら」は希望までも売り渡した
手に入るはずもない人生のために、魂は夜のうちにひっそりと死んで行く
見せびらかすメダルを手に入れるよりも
ボクはむしろ、キミとこうして踊っていたいんだ
自分は、メダルをカネ・名誉と言い換え、キミを音楽や美しいものと言い換えてみる。
土砂降りにまみれて汚れたみにくい日には、そのぶん、たっぷりと美しいものを見たり・聴いたりして、補完すること。
働いて疲れたら、自分を休ませること。
そんな当たり前のことを忘れていた。
わたしにとって、時間はフリーズドライ。音楽は一期一会。その瞬間、焼き付いたものたち。
自分のなかでは永遠のポップスターである、ボーイ・ジョージの名曲。