土曜日。
温かい陽気の島。そこを写真に収めながらの散歩。
しかし、すっきりした快晴。。。とはいいがたく、春ぼらけに近い、不鮮明な空気に包まれていた。
日曜日。
土曜夜半から降り出した雨は、やまず。室内に居ることにいたたまれないのと、せっかく咲いた花たちが散った後を見るのは忍びない。。。
と、外に出るが、雨風の中、傘は数十分でボロボロ、着ているモノはびしょびしょ。。。
あらしを前にして、おずおずと家に戻った。
そして、今日、月曜日。
スコーンと抜けるような、気持ちの良い青空。ゆっさゆっさと桜の樹が揺れている。
いくら「あれ」から30年以上の時間が流れても、厳しい冬を越えた一年がめぐって、桜が花を咲かせたら、大村憲司さんの『春がいっぱい』を聴きたくなる。
「ゆとり」や「すきま」がぎっちぎっちに詰まって行く社会の中で、どれだけもみくちゃであっても、そんなそばでは、大樹は空に手のような枝を広げて、今年もちゃんと美しい桜は花を咲かせるんだ。
YMOファミリーが全面的にバックアップして出来た、大村憲司さんのレコード『春がいっぱい』。
鮮やかなイエローのジャケット。80年代=YMO世界の象徴的なデザイン。それを、ぼくはLPレコードで持っていない。
録音したカセットテープで聴いていたが、その後、CD化された音盤を神保町のジャニスで借りてコピーした。それを今も聴いている。それだけで十分幸福だ。
このアルバム『春がいっぱい』には、さまざまな表情の曲が収録されている。
1980年YMO第二期ワールドツアーで演奏された「マップス」、ツアーの最中もいつも一緒だった奥さんへの愛が見え隠れする「セイコ・イズ・オールウェイズ・オン・タイム」。
そして、元ギター少年のまま育った大村さんが奏でる、メロディが心地良く美しい「プリンス・オブ・シャバ」まで。
お酒が大好きで、肝臓を壊して亡くなった、無頼な男気あふれる大村憲司さん。彼を囲むなかまたちとの交流が描いた、優しいロマンティシズムが、このアルバムには漂っている。
エヴァーグリーンな音楽。
■大村憲司 「ザ・プリンス・オブ・シャバ」1981■
後ろを振り向いてみると、何度も似たような記事を書いていることに気付く。
それでもいいのだ。
それくらいに、これらの曲が、じぶんの中に埋まってしまったスイッチならば。
他人は、おんなじような場所を徘徊・ループするばかりのじぶんの様を、ボケ老人の繰り返しと言うだろう。
しかし、これほどしあわせなことはないのかもしれない。