しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

作家の生活

2013年11月19日 | Weblog

大学で教えている小生の知人が新たに本を執筆した。200ページ。大学で使う教科書として執筆した専門書である。

定価は1500円+税である。本は高いと思う。書店でノベルス、コミックなら同じページ数でも1000円しない。

当人はこれまでも多くの本を執筆している。高い本は4900円もしている。通常価格帯は1500~3600円くらいだ。15冊くらい書いているようだ。小生の書斎にはこの著者の本が10数冊並んでいる。

さぞかし印税もたくさんいただいているだろうと思い聞いてみた。

驚いたことに全くといっていいくらい入らないと言う。

専門書は発行部数が少ない。それも出版社との交渉で印税率が決まるらしい。

通常は売価の10%未満だ。仮に7~8%として3000部で63万円。通常お世話になった方に謹呈という形で贈呈するため、この額の半分位は消えてしまうらしい。書くまでの資料収集にかかる費用は残りの収入を上回る。

1万部以上の発行実績がないとうまみは出ないらしい。

定価1000円の本で1万部発行できると印税は100万円となる。1千万部も出している作家もある。10億くらいになる。一部の売れっ子は億万長者となれるが、大学の教師や専門分野の極く限られたジャンルでの読者に対する発行部数では全くと言っていいくらい収入とならないようだ。

雑誌に関しては、印税でなく原稿料(1回かぎりの著作権使用料)が支払われるのが一般的で、ふつう1枚何円の単価で契約される。新人、売れっ子或いはジャンルによって幅があり、

1枚あたり1千円から2万円とかなりの開きがある。

自費出版の場合はどうかと言えば、業者に対して売上金が支払われる筈で、印税が支払われることはまず無いという。出版に関する費用すべてを著者が負担するのが「自費出版」であり、本はすべて著者の者であり、その本がいくら売れても著者には何の収入も還元されない。出版サービス会社は本を預かっているに過ぎない。その本が売れたとしても出版費用のリスクを著者が事前にかぶっている部分が精算されるだけである。

ああ。世の中というものは厳しいものだ。

今月は小生が編集した地域コミ協広報誌の発行がある。印刷費用はすべて行政が負担してくれる。

ありがたい。印税は入らないが、ひとつの地域貢献、活動の証が残る。大学の先生もその類かもしれない。研究成果の発表証拠。大学での存在価値。形の残る研究成果。

多くの分野で多くの場合、無報酬。これが基本なのだ。


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