国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

速水螺旋人『大砲とスタンプ』

2022-10-13 11:41:18 | Books

●Wikipediaで調べるの禁止。ネタバレの嵐だから。

最近、『大砲とスタンプ』を読み切った。左のリンク先のには第一話が載っている。

 これは速水螺旋人の代表作の一つになるに間違いない。

●東欧、トルコっぽい地域での兵站(=補給)軍に所属する女性が主人公のマンガ。

 ちなみに作者は現在のウクライナ侵攻を嘆き、ロシア批判をしている。

●兵器や戦争、工業技術などに詳しくないけれど、1950年~1960年くらいが舞台かなあ。

 一話につき、1ページの架空の兵器の紹介から推理すると。

 この解説が詳しく、面白い。

 コミックスでは文字が小さいので、1ページでは見にくいと思ったのか、2ページで紹介しているコーナーもある。

●初めは一話完結型だが、9巻あるので、徐々に大河ドラマ調となってくる。

●決して戦争賛美マンガではなない。

 ユーモアのあるマンガである。

●戦争の悲惨さ描いている場面も多いけれど。

 

 

●この時期にこの地域を舞台にしたマンガに、ましてや戦争を舞台にしたマンガに抵抗感がある人も多くいらっしゃると思うが、おすすめのマンガである。

 

 

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ラピュタは本当にあったんだ

2022-08-18 17:46:41 | Books

佐藤大輔氏の大ファンである。

●引っ越し業者に本を打ち合わせ不足のせいでかなりの本を廃棄されたのだが(私はこれを大災疫と呼んでいる)、その中にかなりの佐藤大輔氏の本が含まれていた。

 さらに言えば大災疫以外の引っ越しでも本を減らしている。

●そんなこんなで佐藤大輔氏の本を再収集しているのだが、一度も所有したことのない本に「天空の城ラピュタ」のゲームブックである。

●いつ探してもなかったんだが、最近、気が付いた。

 『天界の迷宮』というタイトルだったのだ。

 天空の城ラピュタで探しても見つからないわけだ。

 最初からWikipediaでチェックすればよかった。

●というわけで、古本で入手。1987年12月31日発行の本でお世辞にもきれいな状態の本とは言えない。

 というか、悪い。

 どれくらい悪いかというと本に「廃棄」という判が押されている。

 「廃棄」だって。

 元の持ち主さんはどこで入手したんだろうね。

●キャラクターシートにパズーの根性点、タイムチェック欄があるあたり、私が昔、やっていたゲームブックと違うなあ。佐藤大輔氏のオリジナルかしらん。

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『チェーザレ 破壊の創造者』

2022-06-15 11:16:49 | Books

●頭が働かないにもかかわらず『チェーザレ 破壊の創造者』読了。

●かといって、頭の調子がイマイチでも簡単に読めるわけではなく、重厚な内容。

 くやしいかな、解説、用語集などは読めず。再読の際、読んでみようと思う。

●ルネサンスの英雄(奸雄?)にして、『君主論』の著者マキャベリのアイドル的存在のチェーザレ・ボルジアの青年時の物語。

●建築物や内装の表現は豪華にして、緻密。再現性も高いらしい。

●チェーザレの一年間前後しか書いていないにも関わらず、彼は非常に魅力的で狂言回しのアンジェロ同様、私も引き込まれた。

●下手な大人より思慮深い一方で少年らしい一面もある。例えば「人の心を操る魔術師」として現れるレオナルド・ダ・ヴィンチとの対面時などがそうである。

●13巻での完結が惜しい(もっと続きが読みたい! 続きが連載されているということはないよね?)が、それは青年期の終わりで完結したのであり、成年以後は読者に委ねられたのかもしれない。

●私は世界史にたいして無知なので(大手予備校の代講で地歴公民を教えたことがあったが日本史、地理と公民だけ)、良い偏見をいただいた。この漫画に創作面が多々あるのは承知の上。

●13巻は書店にあるものの12巻は見当たらない。古本だと結構なお値段。講談社に書店の方が確かめたところ、重版の予定はないとのこと。

●私の勘だが、豪華版が出るな、これは。なにせ累計部数140万部以上なんだから、12巻が重版されないのはおかしいと思う。

 

●ついでに(?)川原泉の怪著(?(コミックスは1巻しか出ていなくて文庫版で完結している)『バビロンまで何マイル?』も読了。チェザーレも出てくるもんで。

 

 

 

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【良著だよ】『はじめての言語学』

2021-07-14 04:38:00 | Books
黒田龍之助  講談社現代新書

いいなあ。教え方がうまいひとなんだろうなと思う。というか、予備校の講義っぽい。あ、誉め言葉ね、ここの部分は。

例えば「民族の数が言語の数ではない」の部分では、オーストラリア人とオーストリア人の非常にわかりやすい例をもって、説明しているんだが、「ついでに、オーストリアとオーストラリアを間違えるのはいい加減やめにしたい」とか言う余談がどーでもよくていい。あ、誉め言葉ね、ここんとこ。

予備校を経て、大学の先生になった人って増えているよね。てことは、大学の講義って、そろそろ予備校並に面白くやれる大学人も増えているんじゃないかな。

でも、諸君は大学に行ったら、つまらない講義にも耐えられるといいなぁ。ダイアモンドって苦労して磨くから美しくなるんだぜ。むしろ、すすんで面白がれるようになるといいね。大学時代、ほとんどの講義を一番前で受けていた私は少なくともそうした。

あ、ちなみに言語学の入門書としてはかなりの良著。入門の向こうにある発展用の読書案内もいいし、なにより「言語」って学ぶ価値のあるものとわからせてくれる。

(2004年7月17日の記事に加筆)
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佐藤大輔諸作品を読んでいる

2021-04-19 15:04:20 | Books
●亡くなった佐藤大輔氏(仮想戦記やファンタジーを中心に書かれた作家。重厚にして緻密な作風の作家だと私は思っている)の諸作品と佐藤大輔氏が書いたのではないかとされる書籍たちの写真。
●『レッドサンブラッククロス(一部の通は「赤丸黒ペケ」と呼ぶ)』『征途(数少ない佐藤大輔氏の完結作品)』『皇国の守護者』以外の作品が1冊完結本を除いて並んでいる。
●絶版本は古本を購入。今はネットでも古本を購入できるとは便利になったものだ。
●写真の諸作品はどれも未完結。佐藤大輔氏は罪なことをする。
●今は読書のリハビリとして佐藤大輔氏が書いたのではないかと噂される『A君(17)の戦争』を読む。ライトノベルなので読みやすい。佐藤大輔入門とでも言えるのではないか。
●佐藤大輔氏が書いたか、豪屋大介氏が書いたのかを考えながら読むのも面白い。
●次は『信長新記』か。名前を変えて3回出版された本である。その都度読んだので最低でも3回読んだ。これもまたリハビリに良いか。


●基本、今日は臥せているので、スマホからの更新。スマホからの更新に慣れつつあるか。


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教養としてのロースクール小論文

2005-06-11 21:40:58 | Books
小論文のハードユーザー必携の本が出た。ロースクールに限定した内容でないのは【はじめに】を読めばわかる。大学受験レベルの現代文や小論文のユーザーも対象に入っていることで確認できよう。

視点の確かな整理屋(褒め言葉)として私が高い評価をしている浅羽通明氏が「現代の論点」の背景を道案内してくれている。

ただ、ユーザー層を主にロースクール受験生にしているせいか、活字だらけで読みにくいか。
『ニセ学生マニュアル』だって絵が少し入っていたのに。

しかし、それだけに中身は濃い…はずだ。

「はず」というのが気になった人は偉い。なにせ、まだ、読みきっていないのだ。ただ、本屋で気づいて今日購入したのだ。

しかし、最近の仕事の混み具合だといつ読み終わるかわからないので、時期を逸する前に良書と信じる本書を紹介しなくては思ったのである。

刺激を受けることは間違いないので、ご参考までに。

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失踪日記

2005-03-30 04:54:44 | Books
作者の吾妻ひでおって、私の人生では、常になんだか、わからないけど、そこにいる存在であった。

「レース鳩アラシ」「ブラックジャック」「がきデカ」そして、人生レベルで影響を与えてくれたのではないかと思える「マカロニほうれん荘」などを読むために少年チャンピオンを買っていたころに、なぜかいたし、ちょっと、マンガに娯楽以上のものを求めていた頃に読んでいた「別冊奇想天外SFマンガ大全集」にもいた。

大学院の頃は、吾妻ひでおを神とあがめていた先輩もいらした。

その方の自伝である。ホームレス、ガテン系、人気漫画家、アル中などについて、ギャグとして良く描かれている。残念なことにこのあたり、とり・みき氏の巻末対談での発言が良すぎて、略す。買ってみよう。

で、だ。

私としては何を書くかというと、日常と非日常についてである。

私は子供の頃、オフクロの目を盗んで、よくお椀で牛乳を飲んでいた。
普段、味噌汁を飲むために用いていたお椀で、コップに入れるべき牛乳を飲むと、普段より美味しく感じていたのだ。

これは非日常性が味覚になったのだろうと大学生時代に(勝手に)結論付けていたのだが、それと逆のことをこの本を読んで感じ、怖かった。

アルコールというのは、非日常の部分に属す飲み物である。それが枕元にあり、マグカップで飲む。

非日常の日常化。

アル中って、そういうことなんだと思った。ねじれ感を持った存在である。サイバラはアル中を「おとなの迷子」と言ったような気がするが、これもねじれている。

非日常の日常化って、異常に怖い。一部の天才を除いては、おぼれるのではないかな。
このあたりを文明レベル(近代批判)として書くと、大学時代に、はまっていた栗本慎一郎氏の「都市は発狂する」(カッパブックス)で述べていた話になるような気がする。



やはり、不思議なもので、吾妻ひでおって、常になんだか、わからないけど、そこにいる存在なのである。
私の関心領域に接したところにいるのである。



なお、本書を知ったのは極私的脳戸であった。感謝。



【日記】
しかし、寝付けない。明日も早いのに。眠いというより寒い。この時期にヒーターが壊れなくてもいいのに。
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猛き黄金の国

2004-09-19 07:14:31 | Books
猛き黄金の国
本宮ひろ志




偏見ってえのがないと歴史ってわかりにくいんだな。偏見を是正するためには偏見があらかじめないといけないのさ。まぁ、このあたり『バカのための読書術』(ちくま新書)に詳しいので参考にしていただきたい。

で、この本は三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎の立志伝(古うぃ)で、「偏見」を生むのにいいかなぁと思う。というか、本宮ひろ志ってこういうのうまいっす。ただね、同じ題名で戦国時代の「斎藤道三」についてのマンガもあるんだけど、おいらは戦国好きだから、偏見が苦手な域に達しているわけよ。

では、この本はどんな偏見が手に入るかというと

経済における自由競争の意味。「根」という言葉で表されるアイデンティティのあり方。ナショナリズムと「根」の関係。あとなによりも「元気」の大事さかなぁ。「情熱」と言い換えてもいい。明治維新という変革を前にした人間たちの持った「元気」が感じられるんだな。改革やら変革やら口に出すことが多いのが最近だけど、「元気」がないような気がしない?むろん、理屈の価値はおいらはよく知っているつもりだ。なにせ元は経済学徒だったし、現代文教えているときなんざ、理屈がなければ食っていけねぇ目にあっちまう。だけど、理屈を動かすには「元気」が必要なんだな、きっと。

だから、本宮のあにぃのマンガは現代で一番でぇじなものなのかもしれねぇな。

なお、本宮のあにぃとナショナリズムの関係については、浅羽通明氏の「ナショナリズム」に触れられているので必読されたし。



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のぼるくんたち(全二巻)

2004-08-29 22:09:41 | Books
この作品は何かというと「老人」が主人公なのである。動物に哲学させるのもうまいイガラシが老人で哲学するわけだ。んー、老人と動物って似てるのか?(老婆心ながら言うと動物に哲学させた作品は「ぼのぼの」である。おいらはネクタイを持っているし、オフクロは以前グレた時に映画版を見に行った)

で、この作品は本音としての人生を描いている作品である。老人の性なんざあるのが当たり前だし、ボケに向かいあうまえにボケが存在されていたらどーしよーもないのである。この辺のことを高齢社会について思考するかたは忘れないように。(あと、老人と翁の対比軸も考えて欲しいのだが、このあたりは鎌田東二の『翁童論』を読まれよ)

この本の世界で、どのポジションにいたいかをシミュレートしてみると自分の自分にとっての老後が見えてくるかもしれない。ちなみに作者の理想のポジションは中々いいなぁと思う。

ところで、この作品は何に似てるかというとダニエルキイスの「アルジャーノンに花束を」である。異論もある人もいるだろうが、要はなんだ、あれだよアレ、そうそう、短期間に人生のすべてを体験するという誇張を通して、人生や知のあり方を教えてくれるのである。

んー、読まないとわからんな。両方とも読め。

ちなみに、これを読んだ当時の後輩(女)の感想。「梅本がかっこ良すぎますね」

わかってるねぇ。


<p align=right>2002/03/06の改稿</p>



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マジックカードA.M.A 虎の巻

2004-08-21 22:34:15 | Books
詳細はこちら。
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