●『デスペラード』という万博さまの作品集がある。わたしはマジケオンラインで入手した。
●前書きを読むと「カジュアルに、形が描かれたカードというシンプルな道具としてESPカードを捉えてみましょう」という提案をされている。
●たしかにトランプの52種類と比べてかなり負担が少ないのがESPカードの特徴である。
5種類、たった5種類しかないのだ。
観客や演者の負担はかなり少ないのである。
●ESPカードを使用するときは超感覚的知覚(extra sensory perception=ESP)の実験を演出にしたマジックが多く、それが好みというか大好物だったが、それだけに、簡単な図形のカードと書かれているカードとして扱うというのは盲点だった。
●また、作品集『デスペラード』は10枚ESPカードのセルフワーキングトリックをテーマにしているので、そちらの意味で観客の技術的な負担は少ない。
●これは「布教したい=広めたい+教えたい」のである。そうなったのである。
●特に教えたくなった作品は表題作と言える『dESPerado』である。
[現象]は「10枚のESPカードから1つのシンボルを指名手配すると、2人の刑事が指名手配犯を捕まえます」というもの。
超感覚的知覚のテストを捨て、シンボル(マーク)だけを重視している作品だということがわかっていただけると思う。
現象が面白いだけでなく、セルフワーキングなので演者の負担が少ない。
本書の[コメント]によると「10枚のESPカード使った手順の定番になるような手順を目指した」とのことであるが、その目的は達成できていると言えよう。
●万博さまに勇気をもって連絡し、レクチュアーの教材として使用してもよいとの許可をいただけた。
感謝。感謝。ひたすら感謝である。
●必読の価値あり。下手な多様性を主張している本よりは目の不自由な人をテーマにしたこの本のほうがためになる。
●配るレクチャーノート(? まあ、某社では紙一枚でもレクチャーノートとして配布しているからレクチャーノートでいいか)は表の面に万博さまの『デスペラード』を印刷し、裏面に私の解説を書いていく予定。
この形式も認めていただけたのもありがたいかぎり。
●カットの原理とか刑事の名前の例などを書いていく予定である。
●そうそう、万博さまの元原稿には[コメント]や【参考】に人物名や作品名が載っているのだが、これも手品の奥深さを知ってもらうきっかけにしたいものである。
ネット上に蔓延る情報らが非常に粗雑なものであるかを知ってもらう機会にしたいのである。
●マジックショーよりレクチャータイムの方が重要な気がしてきたぞ。
私個人としてはあやしい雰囲気があり、かつ心理学の実験に用いるよ的な裏面のESPカード(単純に言うと紺色系に星印がいっぱいあるデザイン)が好みなんだが、カードを切断するカッターのせいか、扱いにくいものが多い。
そのあたりで考えるとストレートマジックさんのは裏面が素敵すぎるのだが、今回はあくまでも「超感覚的知覚のテストを捨て、シンボル(カードのマーク)だけを重視している」のだけである。
しかも、おそらく生まれて初めてESPカードを扱う人々である。
いや、カードを扱うのも初めての人かもしれない。
ストレートマジックさんのESPカードでよい。いや、これがよい。
扱っていて素敵な感触なので、初心者の方はちょっとした感動を覚えるだろうし、この高品質のカードなら扱いやすいだろう。
※なお、ストレートマジックのスタンダード版ESPカードは売り切れ。
まとめ買いをするとお得なので、プレミアム版は買っておくとよいですよ。
こういうのは気がつくと売り切れますから。
※リンクページを参照してほしいが実はマークトカード。
※レギュラー(普通のトランプ)と混ぜて使うことも可能でマニアならイケイケ! である。
※ESPカード50枚でデックを組み、ケースに知れておくと便利。10枚手順を5種類次から次へと演じられるぜ。むろん、10枚を演じた後に25枚を用いた手品を演じることが可能。もっとマニアの方なら50枚ESPカードの研究などをなさってもおもしろいかもしれませんね。なお、10枚のESPカードのマジックについては『デスペラード』のあとがきに詳しい。
※注がたくさんになった。
●上掲写真にあるようにカードは大量にきた。
観客20名まではレクチャー対応可能である(よな)。
●まあ、去年の来場者は4名なのですが。
それは足元が悪かったせいかと。
リハーサルのほうが5人と多かったですし。
●まずはレクチャーノートの補講作成だ。
●余談。
台風でリハーサル延期。
うーむ。
困った、困った。