旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

FOLON財団美術館①

2019-11-09 13:19:33 | ベルギー

ベルギーの《手造の旅》をはじめて構想した十年前から、ぜひ行程に入れたいと心に秘めていたフォロン財団美術館


フォロンは1934年ブリュッセル近郊に生まれ-2005年モナコにて没

↑1973年の「異邦人」というこの作品が、エルトン・ジョンのデビューレコードジャケットに使われていたのが最初の出会いだった。
※この絵についての個人的な記憶をこちらに書きました

**
ブリュッセルの南、公共交通機関ではアクセスできない森の中にある

駐車場からも

未舗装の道をしばらく歩く

秋の盛り

この場所はフォロンが少年時代に訪れていた森の一角。
水鳥あそぶ池や

城館も点在している

六十代になってから彼自身が選んで建設した財団美術館も古い建物を改装している

「コ」の字型をしていて、二つの棟に分かれている

この帽子の男はフォロンがよく描くイメージ。彼自身だとも誰でもが自分を投影できる人だともいわれる。

入口で簡単な手続きをすると、壁にあった巨大な扉がゆっくり開いた↓

ここが入口だったのだ
彼の作品を使った本の表紙↓小松左京のSF作品も、なるほど合います

アメリカで評価されるようになると、時事雑誌の表紙を何度もてがけた。
やさしい・浮世離れした作風だけれども、社会的な問題に対する発言をしない人ではなかったのだ。

はっきりと主張のある、それでいて嫌悪する人はあまりいないように見える作風。

ステンドグラスもデザインしていたのか



その②に続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はじめてのルーヴェン

2019-11-09 09:00:00 | ベルギー
ベルギーで大学都市と言えばルーヴェン。
※フランス語ならルーヴァン
美しい街だときいていたので一度訪れてみたかった。
↓この装飾でいっぱいの建物が市庁舎↓

↓となりに見えるピーターズ教会よりも派手↓

ピータース教会は地盤が弱くて塔を建てられなかったからなおさら地味。
こんな「鐘つき男」はおりますが

市庁舎のとなりにある、いわば宴会場「ターフェルロンド(円卓)」もすばらしい↓

この建物は我々が宿泊したホテル!※最後に内部の様子をお見せします
到着した時の夜景↓

ルーヴェンの市庁舎はブリュッセルよりも低いが装飾はこちらの方が美しいと言われている。
それは、ブラバント公爵の宮廷がブリュッセルに移転する前にはルーヴェンにあったから。
いわば首都であったから。
↓市庁舎は1448年から1469までに建てられたとガイドブックに書かれていたりするが、彫刻にはナポレオンも出てくる↓

↓髭が立派なベルギー二代国王レオポルド二世↓

つまり、これらの彫刻は19世紀に飾られたものだ。

市庁舎と教会の広場に大学町としてのマスコット像「フォンスケ」がある↓

半分になったアタマに「知恵の水」を注いでいるのだそうだが、ビールを注いでいるように見えてしまう。
「フォンスケ」はアルフォンソというスペイン系の名前からきているが※ベルギー領はかつてスペインが支配していた土地
「泉」という意味もあるのだろう

ルーヴェン・カトリック大学五百五十年を記念して1975年に設置された像

↓ミュージアム↓


↓大学図書館のそびえる広場に出た↓

この図書館は第一次大戦当時無残に破壊されたが、再建にはアメリカと日本が多額の資金援助をした。
↓再建された建物の二つの角に↓
アメリカのシンボル白頭鷲↓

↓日本のシンボルに狛犬と菊の御門


↓広場の真ん中にある巨大な虫の刺さった柱↓

かの昆虫博士ファーブルの曾孫がアントワープ出身のアーティスト、ヤン・ファーブル。
玉虫の羽の巨大な作品が王立博物館入ってすぐに展示されていたことがある。

↓大学の町らしい?(笑)




街をあるけばひっきりなしに寿司屋の看板がある

**
今回のルーヴェン滞在でどうしても触れておかねばならないのが、宿泊したターフェルロンドホテル。
↓すっきりとモダンできれいなホテルなのだが…

↓ベッドから洗面所へのとびらがない!

便器とシャワーが同じ床に続いている
日本人にはちょっと馴染みにくい空間なのだけれど、ヨーロッパの方々はこれでOKなんでしょうか?
カーテンが電動なのはいいのだけれど、表示ボタンが小さすぎてどこをおしたらいいのか分からない

バリア・フリーに見えて、バリアだらけの部屋に思えた。
↓朝食のコーヒーマシンも最新式すぎて…

みんなで囲んで思案してしまいました
歴史的な建築で雰囲気はとてもよいのですがねぇ…



***
ルーヴェンが世界に発信するステラ・アルトワ・ビール


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リールを少し歩く

2019-11-08 17:00:00 | ベルギー
16:30頃リールについた

商店の看板に灯がともるころ。秋のベルギーはこの時間がいちばん美しいと思う。


ベルギーの美しい街はたくさんあるが、ここにしかないのがこの時計

中世の塔にはめこまれている

塔自体は1425年以前にはあった(13世紀と解説したものもあった)コルネリウス塔という旧市街を囲む城壁の一部だった。
時計は1930年にルイス・ツィンマーよって製作された、世界に二つとないシロモノ。
表面に見える十二の文字盤は月の満ち欠けや潮位、星座といったよくあるものだが、内部の見えないところに二万五千八百年で一周する「世界一遅い時計」が隠れているのだそうだ。この年数が何を意味するのか?ガイドさんに解説してもらって、ウィキの解説も読んだのだけれど…どうも理解できません。アインシュタインがそれをきいてとてもよろこんだ、というのだけれど…。
**


リールにもあるベギン修道女会の教会

会の女性たちが住んだ建物は今も普通の住宅


旧市街の門だった建物


月が美しい

マグリットの絵を思い出す

↓川沿いに羊を放牧する像が置かれていた。
リールのニックネームを知れば、街中に羊がたくさん登場する理由が分かる
「リール人は羊のアタマ」とジャン二世は言った?

14世紀はじめ、都市国家が覇権を競っていた時代。
ブラバント公ジャン二世に対し、有力都市メッヘレン市が反乱を起こした。
その鎮圧に協力したリール市に褒美をあたえようと思ったジャン二世は訊ねた。
「大学か家畜市場か、どちらかを褒美に与えようとおもうが、どちらがよい?」
リール市民は
「大学がきたらうるさい学生たちが街をうろうろするようになるかもしれないし、家畜市場の方がお金になるね」
と考えて後者を選んだ。
ジャン二世公はその答えをきいて、「お前たちは羊のアタマだのぅ」と言ったそうな。


大学は(今晩我々が泊まる)ルーヴェンにいってしまったのでした。


****
リールは予想通り美しい街だった、次回はもう少し時間をとりたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メッヘレンの「ゴールデン・カルロス」

2019-11-08 16:00:00 | ベルギー
メッヘレンのビール「ゴールデン・カルロス」は国際的な賞をなんどもとっているそうな。
この名前はメッヘレンで育った神聖ローマ皇帝カール五世のこと※こちらに少し書きました
↓これは三種類お試しセット↓

お試しという割にはそれぞれが大きい(^_^;)
右から「トリプル」~麦三倍でアルコール度が高い、「ホップ多め」~いくつかの種類のホップをつかっているそうな、「クラシック」~昔の常温発酵なのだろう。
どれもおいしくてついつい飲んでしまうが、度数はみな八度以上あった。

↓会社の名前は「ヘット・アンカー」名前のとおり碇のマーク↓

↑このマークを使いはじめたのは1872年に経営譲渡されてから。
もともとは15世紀にベギン会が運営していたビール工場だったとされている。
↓昔の工場の煙突や

↓倉庫のたたずまいをよくのこしているが

ここ十年ほどはホテルとブラッセリーもはじめている。
立地も良いし今度は泊まってみようかしらん。
↓併設しているビア・レストランは気楽に入れるし料理もおいしい↓

↓ビールをつかった牛の煮込み

↓ビールソースで豚バラ

↓ビールをつかったころもでフィッシ&チップス

↓小松は地鶏をいただきました

ちかごろはウィスキーの蒸留もはじめているそうな。

街のお菓子屋さんで、メッヘレンの故事にちなんだ「三日月クッキー」を買って

※こちらに由来を書きました

**
ビアレストランで遅い昼食を終えるとすでに午後三時半をまわっていた。
世界遺産指定されたリールの街を少しだけ見にいこう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メッヘレンの鐘楼にのぼる

2019-11-08 14:00:00 | ベルギー
今のぼっておかなくては


大きな荷物はロッカーに預けましょう

ここから登るのだがチケットを買うところは向かい側にあるので注意
ICチップ入りのカードチケットを渡してくれる。それをかざして入場。

石造りの螺旋階段がはじまる↓

頂上まで五百段と少し。五十段ごとにちゃんと数字が出てくる↓

フズリナ?の化石。これも意識してここに使ったのでしょうね。

途中でちゃんと休憩できる↓
後ろに見える大きな輪は何?

↓登る前に見た塔断面図を思い出してみよう↓
↓塔の中ほど下に下からモノを吊りあげる装置が描かれている↓

↓足元に開いている丸い穴から教会内部が見下ろせる↓
↓オルガンを見下ろすための穴ではなく、ここからロープをおろして

建築用等の資材を吊り上げていたのか

この塔には42個セットのカリヨンが二組もはいっている

↓カリヨンの演奏席

メッヘレンにはカリヨン学校もあるのです。
鐘はそれほど古くない↓ラテン数字で1981年と書かれている↓


さらに上にも休憩できる場所はいくつかある。
突然、SKY WALKと書かれたところから外にでられた↓

未完の最上階に着いたのだ↓

なるほど未完成の塔だ。

青空の下、メッヘレンが平原の中の街であるのが分かる

大マルクト広場↓ゴシック様式の旧市庁舎の建物が上から見るとよくわかる

この地域の経済を支えてきた運河↓

↓降りる方がたいへんかも

往路と復路と別々の階段になっているのはとても便利
↓最後にカードを入れるとバーがまわせます。

さて、おそーい昼食へ、メッヘレンで有名なビール工場にいくとしよう(^.^)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする