旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ブータン料理はいかが

2012-01-29 09:49:21 | ブータン
「唐辛子は野菜です」という言葉で紹介されるブータン料理。たしかに辛いものも多いけれど、ツーリスト向け・特に同じく米を主食とする日本人に向けては、充分美味しいと思える料理だと思った。

上の写真はタクツァン僧院への第一展望台でだされるバッフェ昼食からとって並べたもの。
右上の赤米はブータンらしい。下はジャガイモがチーズ煮になっている「ケワ・ダッツィ」。中華風の野菜料理と豆腐料理があり、左上に日本からもってきたゆかり。一番上にブータン料理の定番である唐辛子のチーズ煮込み「エマ・ダッツィ」。ダール(豆)のスープはカレー味だが辛くはない。

お米を主食にしてこれらオカズを食べるのは日本と変わらないスタイルである。
辛いものは確かに辛いが、それをどのように実感したか、下記に書きました。マーケットの様子も含め、下のページにてご覧ください。
http://www.tour.ne.jp/blog/komatsusin/37005/

寒い土地だがビールは生産されている。11000というビールは「STRONG」と書かれているほど強くない。

レッド・パンダとは、そうかレッサー・パンダだったんだ。東部のブムタンで生産されているビールである。

ブータンワインもあるというので注文してみた。
白ワイン。甘い味でヨーロッパで味わうのとはだいぶちがっている。
調べてみると、どうやらムンバイ近くのインドのワイン業者が生産しているようである。


もとも地元で飲まれていたのはアラと呼ばれる蒸留酒。原料は米や麦など多様な穀物。味わいも土地により家庭により大きく違うとか。下のような木製のボトルで出されることが多い。
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タシチョ・ゾン~ブータンの政庁舎

2012-01-28 13:49:15 | ブータン
首都ティンプー、市街地のはずれ川沿いに堂々とした姿を見せるゾン(修道院・砦など)が、民主主義ブータンの政治の中心となっている。もともと14世紀からの寺がここにあったが、1641年にこの建物がつくられた。正確には現在のものは第三代国王が1965年に改修・再建したものだそうだ。伝統的な様式を用いて釘をつかわずに建てられているとか。

我々が訪れた夕方、国旗をしまうために軍隊の隊列がゾンへ向かって行進していた。


セキュリティ検査を受けて中へ入っていくと、ちょうど国旗を運び出す隊列とすれ違い。


チベット仏教を国教とするブータンでは、政庁舎の建物の中心も寺である。※写真左手の建物

この「キンレイ」と呼ばれる寺の中で2008年の憲法発布もサインされた。
国王の戴冠式もここ。
「東日本大震災」への鎮魂祈祷もここ。




向かって正面にももうひとつ寺がある。

この寺を囲んでいる建物に省庁の執務室があるが、さらに大僧正ジェ・ケンポの部屋、二百人いるという学僧もまた公務員であり、国から給与をもらっている。※この写真の建物に住んでいる


ここを訪れるブータン人は正装としてカムニと呼ばれる布を肩にかけることになっている。※写真はガイドのビケさん。

このカムニの色は立場によってちがっており、一般の人はこの白色、国会議員は青、ダショーとよばれる位をもらった人ならオレンジ色。相手に敬意を払った挨拶をする場合には礼と共にこのカムニを地面にたらす。

2008年に国王の意志で断行された民主化・総選挙により選ばれた国会議員は、このゾンと川をはさんで向かい側に建設された国会議事堂の議会に臨む。

現国王の住居もこのならびにあるが、こちらは撮影禁止。


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パロからティンプーへ

2012-01-27 16:36:47 | ブータン
ブータンの空の玄関、パロ空港から出ると街はすぐちかく。

旧市街では伝統的なスタイルの建築を義務付けられているので均一な美しい街並み。
それに、電線・電柱が見えないこともこの景観の重要な要素だ。

昼食の後、首都のティンプーへ向かう。深い谷と山を抜けてゆくくねくねした道だが、これはブータンで最もよく整備された「ハイウェイ」。空港のあるパロとティンプーを一時間ほどで結ぶ。

この道ができるまでパロ⇔ティンプー間は二時間かかっていたのだそうだ。
道沿いのあちこちに見かける崩れかけた土壁の砦のように見えるものはなんだろう?

これはたいして古いものではなく、新しい家をつくって住人が放棄した古いブータンスタイルの家なのだとか。
土壁の雰囲気は日本の古い家と同じだ。

使用している家を見ると、なるほどこんな風だったのかと納得。
**

一時間ほどで首都ティンプーがちかづいてくる。のんびりした田園地帯ではあるが、すでに建築ラッシュがはじまっている。ショッピング・アーケードのひとつには「ブータンで最初のエスカレーター」が昨年2011年に設置され、人々が見物に訪れているのだそうだ。数年でティンプー周辺の風景は大きく変わっていくことだろう。

ティンプーの街のヘソになる「時計台広場」にはたくさんの人が集まっている。

要になる交差点にさえ信号はない。

「この国には似合わない」と国王のご意見だったとか。
車は増えてきているが、まだおまわりさんの交通整理の方が有効な程度である。
だが、これまで無料だった街での駐車料金を取るようになったということだ。

横断歩道の看板が面白い。

男性の民族衣装「ゴ」を来ている人物がわたっている。
街の看板、一般商店は必ず青と白の看板にすることも決められている。
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パロ(ブータン)到着

2012-01-23 08:51:26 | ブータン
羽田空港からバンコクを経由して、ブータンの空の玄関であるパロの空港に着いたのは正午を少し回った頃だった。青空。とても寒いときかされていたので、しんぱいしていたけれど、昼をちょっとすぎたぐらいの太陽はとても暖かく気温は十度を超えているだろう、風もなく穏やか。「ああ、ブータンはやっぱり幸せの国だったんだ」なんて思わされる、はじめての国への気持ちよい到着

昨年来日した若き国王夫妻の写真が出迎えてくれる。

**
パロの空港はパイロットにとって難しい空港だときいていたが、窓からの景色を見ていてよくわかった。

くねくねと曲がる谷に沿って飛行機も飛ぶ。民家や寺院がちょうど視界の横に見えている感じでしばらく飛び続けて、パロ空港が見えてくきたのだった。

下はパロ谷のほぼ全景。
手前の緑色の屋根が空港ビル。
向こうに見える白い大きな建物はパロ・ゾン=寺院、その上の丸い建物が博物館になっている。

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ダニエルの余裕~ルーブル美術館、大人のおもちゃ箱

2012-01-19 22:49:54 | フランス
なんだか日本の仏像のような表現じゃないでしょうか

ルーブル美術館中世彫刻セクションより。この彫刻の主題は、要約すれば下記のようになる。

★ダニエルはイスラエルを陥落させたネブカドネザル王によってイスラエルの他の3人の若者と一緒にペルシャに連れて来られた賢くて麗しくて壮健な男子。
ダリウス王の家臣達にその能力を妬まれ、イスラエルの神へのまったき信仰を咎とされてライオンの穴に落とされた。しかし、ライオンはダニエルを襲わず、翌日の朝無傷で救出された。
※さらに詳しくは下記のページなど参照。
http://d.hatena.ne.jp/littleyohane/20100120/1263946564

ダニエルのこのあっけらかんとした表情、首をかしげる様、ライオンの穴に落とされたにしてはまったく怖がっていない。いったい何を考えているん?と、以前から思っていたのだが、今回、すっきりする解釈をしていただいた。

「ダニエルの表情は『余裕』だとおもいます。強い信仰を持っていたダニエルは『こんなことしても無駄なのになあ』と言っているように私には見えます。」

なるほど、そう思って再び見ると、このダニエルには一片の不安も感じられず、むしろ額にしわを寄せて『ライオンがうるさくて寝られないよぉ』とでも言っているかのようだ。理解している人にだけ話しかけてくれる、そんな力強い彫刻。
※ルーベンスの描いたダニエルは不安そう↓
http://www.artbible.net/1T/-Dan01,01_Events_Portaits_Evenements/slides/17%20RUBENS%20DANIEL%20IN%20THE%20LION%20S%20DEN.html

**
ライオンの描かれ方、日本の狛犬(こまいぬ)にそっくりの雰囲気で、ユーモラスだ。ダニエルの衣の表現も、日本の仏像に似ていると思う。


柱の上部だけ切り離されて、真白くきれいに洗われて残されているが、もともとはいったいどんな修道院に?教会に?あるいは宮殿に、あったものなのだろう。

また、こういった主題の多くは単独では描かれない。きっと近くに別の旧約の話を刻んだ彫刻もあったことだろう。この製作者の作品をもっと見てみたい。それらはどこへ行ってしまったのだろう。
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