《手造の旅》あなたの知らないロンドン、パリ+シャルトル 七日目。
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一般的なパリ観光でツアーに含まれているルーブル美術館観光というと、「ミロのヴィーナス」「モナリサ」「ナポレオンの戴冠」の三大作を含む約一時間から一時間半程度である。
ルーブルはとても広いから何度来ても一般ツアーで解説付きで見学できるモノはおんなじで…という話をいままでもよく聞いていた。ルーブル美術館の持つ深遠な力を知っていただくために、もっと違う解説をきけるコースはないのか?と、今回は、先にあげた三大作品はまったく見ない行程にした。しっかりした解説があれば、それでも充分おもしろいのです。
その時たまたまやっていて出くわす企画展示も楽しい。「地中海のモザイク」展では、こんな★「どや顔」のライオンも「やられた!」と声が聞こえてきそうなシカイスラエルから持ってこられた紀元後三世紀頃のモノだそうな
★ギリシャのブロンズ像のセクションで見つけた「どうもありがとう!」と観衆に応えるようなミノタウロス
★この部屋の天井は2007-2009年にサイ・トゥオォンブリーというアメリカ人の美術家によって装飾されたものなのですが…彼は2011年に定住していたローマで亡。
★14世紀フランドル画家ジャン・マルエル作とされるこの二作品の事ははじめて知った左側は以前からルーブルが所蔵しており、ジャン・マルエルの真筆。
14世紀フランドル生まれの画家、ジャン・マルエルは「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」の作者として有名なランブール兄弟の叔父にあたる人物。※マルエルの雇い主であるブルゴーニュ公フィリップ二世豪胆公もまたベリー公の弟にあたる。
右の作品は、かつて上に別のカンバス画が貼られていた。所蔵していた教会は「よくある一枚」と思って財政難で売却。手に入れた骨董商がフレームを修理していた時、下にもっと古い絵が隠れているこの絵を発見した。
ルーブルに持ち込まれたこの作品が、すでに所蔵されいているジャン・マルエルの作品であることが「ほぼ」認定されるのにも相応の年月がかかり、2012年になってやっとここに展示されたのである。ルーブルが買い取る為の資金は保険会社のAXAがメセナ活動の一環として負担した。
この二つの絵、比べて見ると「なるほど、同じ作者の作品だなぁ」と素人目に納得させられる。
★魚のパテナは、ずいぶん以前に雑誌「芸術新潮」に紹介されていて一目で好きになった。緑の深い海にそれぞれ個性的な動きと表情を見せる金の魚が泳いでいる古代のキリスト教儀式用のものだが、周囲を囲む奇石の装飾は中世にとりつけられたもの。よく見るとヒビが入っていて一度割れた事があるようだ。
★象牙の群像彫刻
一体一体がすばらしい表現力を持っていることは、近づいてぢっと見ていると伝わってくる。
右側の二体は今年やっとここに揃う事ができた。もともとひとつの作品の一部であったことが分かっても、それぞれ別の所有者があれば、並べて展示されることでさえ簡単な事ではない。百人を超えるメセナの寄付によって、2013年今年このようなかたちで展示が出来るようになったものである。彼らの名前全部が掲示されていた。
★ブルゴーニュ公の家臣の墓等身大の尼僧たちが運ぶこの姿は一度見たら忘れられない。
★ハンムラビ法典をつくらせた王のブロンズ像溶かされずに現在に伝わった事は実に幸運。
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午後は二日間有効のミュージアムパスをお渡しした。モデルコースとして小松がお連れしたのはオランジェリー美術館。ここに収蔵されている睡蓮の大壁画はもちろん素晴らしいが、地下の階に展示されているポール・ギョームとジャン・ウォルターのコレクションも必見である。
ポール・ギョームがパトロナージュしたモディリアーニやスーチンの作品がたくさんある。もともとは彼個人が家にどのように置いていたのか、このミニチュアがよく理解させてくれるだろう
彼は事業に失敗して早世したが、未亡人と結婚したジャン・ウォルターは、妻の前夫のコレクションを売りとばしたりしなかった。
その未亡人の肖像画をマリー・ローランサンが描いているいつもの毒気がぜんぜん感じられないこのタッチはぎゃくにほほえましい。
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地下鉄のポスター
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夕食は少しアジア風の味付けのお店へ
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一般的なパリ観光でツアーに含まれているルーブル美術館観光というと、「ミロのヴィーナス」「モナリサ」「ナポレオンの戴冠」の三大作を含む約一時間から一時間半程度である。
ルーブルはとても広いから何度来ても一般ツアーで解説付きで見学できるモノはおんなじで…という話をいままでもよく聞いていた。ルーブル美術館の持つ深遠な力を知っていただくために、もっと違う解説をきけるコースはないのか?と、今回は、先にあげた三大作品はまったく見ない行程にした。しっかりした解説があれば、それでも充分おもしろいのです。
その時たまたまやっていて出くわす企画展示も楽しい。「地中海のモザイク」展では、こんな★「どや顔」のライオンも「やられた!」と声が聞こえてきそうなシカイスラエルから持ってこられた紀元後三世紀頃のモノだそうな
★ギリシャのブロンズ像のセクションで見つけた「どうもありがとう!」と観衆に応えるようなミノタウロス
★この部屋の天井は2007-2009年にサイ・トゥオォンブリーというアメリカ人の美術家によって装飾されたものなのですが…彼は2011年に定住していたローマで亡。
★14世紀フランドル画家ジャン・マルエル作とされるこの二作品の事ははじめて知った左側は以前からルーブルが所蔵しており、ジャン・マルエルの真筆。
14世紀フランドル生まれの画家、ジャン・マルエルは「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」の作者として有名なランブール兄弟の叔父にあたる人物。※マルエルの雇い主であるブルゴーニュ公フィリップ二世豪胆公もまたベリー公の弟にあたる。
右の作品は、かつて上に別のカンバス画が貼られていた。所蔵していた教会は「よくある一枚」と思って財政難で売却。手に入れた骨董商がフレームを修理していた時、下にもっと古い絵が隠れているこの絵を発見した。
ルーブルに持ち込まれたこの作品が、すでに所蔵されいているジャン・マルエルの作品であることが「ほぼ」認定されるのにも相応の年月がかかり、2012年になってやっとここに展示されたのである。ルーブルが買い取る為の資金は保険会社のAXAがメセナ活動の一環として負担した。
この二つの絵、比べて見ると「なるほど、同じ作者の作品だなぁ」と素人目に納得させられる。
★魚のパテナは、ずいぶん以前に雑誌「芸術新潮」に紹介されていて一目で好きになった。緑の深い海にそれぞれ個性的な動きと表情を見せる金の魚が泳いでいる古代のキリスト教儀式用のものだが、周囲を囲む奇石の装飾は中世にとりつけられたもの。よく見るとヒビが入っていて一度割れた事があるようだ。
★象牙の群像彫刻
一体一体がすばらしい表現力を持っていることは、近づいてぢっと見ていると伝わってくる。
右側の二体は今年やっとここに揃う事ができた。もともとひとつの作品の一部であったことが分かっても、それぞれ別の所有者があれば、並べて展示されることでさえ簡単な事ではない。百人を超えるメセナの寄付によって、2013年今年このようなかたちで展示が出来るようになったものである。彼らの名前全部が掲示されていた。
★ブルゴーニュ公の家臣の墓等身大の尼僧たちが運ぶこの姿は一度見たら忘れられない。
★ハンムラビ法典をつくらせた王のブロンズ像溶かされずに現在に伝わった事は実に幸運。
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午後は二日間有効のミュージアムパスをお渡しした。モデルコースとして小松がお連れしたのはオランジェリー美術館。ここに収蔵されている睡蓮の大壁画はもちろん素晴らしいが、地下の階に展示されているポール・ギョームとジャン・ウォルターのコレクションも必見である。
ポール・ギョームがパトロナージュしたモディリアーニやスーチンの作品がたくさんある。もともとは彼個人が家にどのように置いていたのか、このミニチュアがよく理解させてくれるだろう
彼は事業に失敗して早世したが、未亡人と結婚したジャン・ウォルターは、妻の前夫のコレクションを売りとばしたりしなかった。
その未亡人の肖像画をマリー・ローランサンが描いているいつもの毒気がぜんぜん感じられないこのタッチはぎゃくにほほえましい。
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地下鉄のポスター
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夕食は少しアジア風の味付けのお店へ