4人の14歳の話
愛らしいキャラクターが跋扈する痛快かつ少しセンチメンタルな話
ひと昔前は高校生くらいが青春の対象だったのだろうが
この頃からは中学生が「若者」世代となったのだろう
父も、今振り返れば14歳のときにちょっとそれまでとは異質な友人たちと
出会い、色んなことから開放されて半人前ながら大人のスタートラインに
ついたと思える
13歳でもなく15歳でもない微妙な年頃
大人でもなく子供でもない
小さな川が大きな海にそそぐ汽水域のような時間なのだろう
明石の町を自転車で駆け抜ける自分の姿
そこにはいつも海があった
夏休み、早起きして出かけた朝焼けの海はなんともキレイだった
昼過ぎにはテトラポットの上でカラダを焼き
夕焼けの中でなんとも遠い将来について話していた
蝉がなくと明石の海を思い出す
決して透き通るような水ではなかったけれど
この世の中に、キレイな嘘とキタナイ現実があって
それが混ざり合って大きな海ができていることを教えてくれていた
海、今年は海に出かけられなかった