泣きたいときには浅田次郎
「長崎ぶらぶら節」の冒頭、貧しい漁村から長崎に売られる
少女が女衒に連れられて長崎に向かう場面がある
今でこそ「格差」は問題とされるが、太平洋戦争以前の世界
では「格差」は当たり前に存在し人身売買も公然と社会の一
部に組み込まれていた
本作短編集のうち表題の「月島慕情」は寒村から吉原に売ら
れ、太夫にまでなった女が主人公
前述「--節」で緩んだ涙腺にまた売られていく少女の場面
から始められてしまった
うちの姫さまも7歳になり幼児から少女に変わってきた
こういう作品を読むとどうしても姫さまの姿が重なってきて
涙腺を刺激する(決して姫さまを売ったりはしないが)
しかし、数ある作家が毎年々々数多くの作品を発表するなかで
浅田次郎はどこでこれらの小説の種を仕込んでくるのだろうか
欧州の工房(ピニンファリーナやベルトーネ)のように、数人
の作家が浅田次郎ブランドで書いているのではないのかとも
思えてくるほどだ
浅田次郎で泣いたあと、ひさしぶりに「南木佳士」を手に取った
ひとしきり泣いたあとなので、今度は人生に悩もう
「長崎ぶらぶら節」の冒頭、貧しい漁村から長崎に売られる
少女が女衒に連れられて長崎に向かう場面がある
今でこそ「格差」は問題とされるが、太平洋戦争以前の世界
では「格差」は当たり前に存在し人身売買も公然と社会の一
部に組み込まれていた
本作短編集のうち表題の「月島慕情」は寒村から吉原に売ら
れ、太夫にまでなった女が主人公
前述「--節」で緩んだ涙腺にまた売られていく少女の場面
から始められてしまった
うちの姫さまも7歳になり幼児から少女に変わってきた
こういう作品を読むとどうしても姫さまの姿が重なってきて
涙腺を刺激する(決して姫さまを売ったりはしないが)
しかし、数ある作家が毎年々々数多くの作品を発表するなかで
浅田次郎はどこでこれらの小説の種を仕込んでくるのだろうか
欧州の工房(ピニンファリーナやベルトーネ)のように、数人
の作家が浅田次郎ブランドで書いているのではないのかとも
思えてくるほどだ
浅田次郎で泣いたあと、ひさしぶりに「南木佳士」を手に取った
ひとしきり泣いたあとなので、今度は人生に悩もう