この週末も縁あって少年野球の試合を観戦した
序盤、両チームともにピッチャーのキレもよく
締まった試合を続けていたのだが
中盤になって、先攻チームに集中力がなくなり
4ボールやエラーで点をとられだした
さて、セーフティリードとはいかないものの5点
の差は大きく、勝っている方は控えにまわっている
選手を起用し経験を積ませ始めた
まだまだ5点くらいはすぐに追いつかれてしまう
展開だが、次の試合を考えれば主力以外はこういう
交代もある
そんな中、代打で出てきた2ケタ背番号の選手、なか
なか積極的でないのだろう、監督と思しき男性が
檄を飛ばしている
「全部振れっ、全部」
第二球目はホームベースの前で着地するワンバウンドの
悪球、打者は見送り、審判はボールの判定をくだす
監督は叫ぶ
「全部振れっていってるだろ、全部」
「ワンバウンドでもなんでも振るんだよっ!」
打者はきょとんとしている
「次は振れよっ、どんなボールでも振れよっ」
打者はやるせない表情で監督たちを見ていたが
周りのコーチも助けてはくれない
敢え無く三振
一方、守備側のチームはというと
試合開始前に子供たちを集めて監督かマネジャーかの男性が
大きな声で諭している
「いいか、4点とられたら終わりだからなっ」
「外野手、抜かれたら終わりだからなっ」
「相手は優勝候補だ、わかってるなっ」
口角泡を飛ばしての指示だが、具体策は特にないようだ
「勝たなきゃ意味ないんだよっ」
こういう人たちに訊ねるとこんな答えが返ってくることが多い
どのチームも勧誘のためのメンバー募集ビラでは
「楽しくやろう、勝ち負けではないチーム作りが自慢です」
「野球を通じてスポーツの楽しさと厳しさを教えていく」
などと謳っている
が、子供たちの「楽しみたい」気持ちは別のところに置いて
大人たちの都合ばかりが先行していってしまう
時まさに春の選抜高校野球の真っ最中
この数年で高校野球が変わっている
変わったのは、球児たちの表情
戦地に向かう戦士ではなく、笑顔の似合うスポーツマンに
なってきたことだ
バント失敗、肩をたたく仲間にも笑顔がある
打たれてうなだれる投手、ベンチで手をたたいて「ここから
ここから」と声をかける監督の笑顔
もし一所懸命に野球をやっていない選手がいても、人格を否定
するような罵声でなく、一所懸命になる雰囲気つくりが尊ばれる
それでないと「指導」とは云わない
それができないなら勝手に指導者を名乗ってもらいたくない
また、それを目の当たりにしても指導せず、手元の細かい規則
順守ばかりに気が行く公認審判員にも問題がある
当地区の大会では連盟と審判員が「喫煙所」をつくり、好々爺
たちと紫煙を燻らせて談義に花を咲かせている
子供たちへの影響は、老人たちの楽しみの後に存在している
少年野球関係者というのは川崎市以外でもこんなものなのか