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ひとり、またひとり

2023年03月29日 | つれづれ

先週はじめはそこそこの天気で卒業式の袴もまぶしかった。

自分も今年は卒業する歳となり、定年後の処遇について人事担当者と面談した。

できれば精神的に負担の少ない仕事で継続したいと考えて希望を出していたが一線で突撃する兵士でなければいらないという回答だった。

当然、金銭的な処遇には恵まれており、あらためてよい会社で働いてきたのだと感じた。

この年齢でこの会社を離れて、こんな条件で雇ってくれる会社は恐らく見当たらない。

仮に声がかかっても大きな責任がともなう仕事と思われ、やはり身に余って負担になるはずだ。

そんな中、昨日本社をぶらぶらしていたら、旧知の同僚に会った。

ちょうど自分のいる事務所を訪ねようとしていたという。

なんのことはない、特例で早期退職するため今日が最後の出社日であり、挨拶に来ようとしていたと。

彼は、同期同僚である一方で元上司でもあり、世話にもなったが苦い思い出もある。

親会社から出向してきて活躍していたのだが、2年ほど前に心筋梗塞で倒れてからは常時「引き時」を考えていたという。

また、一昨日は1年後輩の男からも早期退職で最終出社日となったとメールをもらった。

この男は埼玉から湘南に移り住んで天気のよい日にはすぐに海に出てしまうと言っていた。

閑職に移っており、顔を合わせたときも「もう仕事はいいので海を楽しみます」と。

最近はSUPを初めてレースに出ているとも言っており、胸板が一回り厚くなっていた。

ひとり、またひとり。身近だったひとたちが去っていく。

 

ひとそれぞれいろいろな動きがあるのがこの季節だが、やはり節目の年であり旅立つ人たちが多く、少し切なくなる。

恐らくよほどの偶然がなければ、もう彼らと会うことはないだろう。

特に自分は以前の同僚から連絡がくるタイプではなく、周りで同窓会的な催しがあっても声がかかることは少ないので、これで終わりということだ。

 

自分的には、大好きな宮崎に居を映して少し仕事をしながら余生を過ごしたいと考えている。

家族にとっては、わざわざ遠方で一人暮らして野垂れ死ぬ”やっかいな父”となってしまうわけのだが、あの気候と空気の緩さは残された自分に活力を与えてくれるはずだと信じている。

いつまで生きるのかは神のみぞ知るところかと思うが、人生を全うするには、圧力の高い仕事は少し無理があり、かと言って何もしない毎日ではすぐになえてしまう。

来月あたり、本当に宮崎を訪ねるつもりであり、少し面白い話があれば1年後をめどに老年/単身移住を考えようと思っている。

Country roads take me home to the place I belonged. 

 

 

 

てげてげよ。


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