クロック発振部分はちょっと変更しただけでも音の変化があるので、クロックモジュール基板の電源にフィルムコンデンサを追加して実験してみた。クロックモジュール供給電圧のロー・ノイズ化。
①16.9344MHz部
クロック発振器への電源供給は、AC→ブリッジダイオード→三端子レギュレータ→C(電解+フィルム)+L(値不明)+C(フィルムコン0.1uF)のπ型フィルタ→クロック発振器になっている。
このクロック発振器直近のデカップリングコンデンサ(0.01uFフィルムコン メーカー不詳)に、0.033uF(WIMA赤)をパラ追加してみた。
音にトゲトゲしさ?ザワザワした騒音の様な感じが無くなってシルキーな音になり、一音一音がしっかりと聴き取れてかなり聴き易くなった。
ノイズが減ったのかな?
これなら長時間でも音楽に浸ることが出来る。音の広がり、繊細度は以前と変わらない。
試しに、追加したフィルムコンを取り去り元に戻したら、やっぱり耳障りな音を含んでいて長時間聴くには苦しい。
そこで、高周波ノイズの除去について少し調べてみたら、murataさんの良い資料が見つかった。
「デジタルICの電源ノイズ対策・デカップリング」 http://www.murata.co.jp/products/catalog/pdf/c39.pdf
かなり頁の多い資料であるが、役に立つ事が沢山書かれている。
このなかで、今回の参考になったのが、コンデンサの周波数特性である。
※「村田製作所の資料より引用」させて頂きました。
この資料によると、このクロック発振器から出るであろう16.9344MHz及びその高調波ノイズには、0.1uFが良さそうである。
さらに、Lとの組み合わせによるπ型フィルタにすると、Cのピークから上の高周波の挿入損失が改善される。
まあ、0.01uFよりも0.033uFが良いであろう事がわかったので、元々の0.1uFを取り去りWIMAの0.033uFを取り付けた。
②49.152MHz部
この箇所のデカップリングコンデンサは、値は元々の0.01uFのままとしてWIMA製に交換した。
気持ちの問題、安心感の問題かな?
今回の実験で学習した事は、デジタル回路、特に高周波回路でのデカップリングコンデンサの特性と使い方。
ノイズの周波数帯域によって、最適な容量値があるということ、また、容量をパラ接続する場合は、組み合わせの容量値によっては、逆に総合特性が悪くなることがあるという事。
そして、今回の実験、調査で、murataさんの資料に巡り合えた事。
特にDAC等、デジタル回路は、高周波ノイズに非常に敏感なので、この資料は非常に勉強になるし、今後も役立つであろう。