真空管KT88プッシュプルアンプを移動しようと持ち上げたところ、置いていた台の上に水溜まりが出来ていて、「これは何?」と思い、アンプの中を覗いてみると、電源の大型電解コンデンサが端子付近からブツブツと泡を吹いている。位置的にもここで間違い無い。電源オフでもフツフツと。液漏れだあ~。
現物の写真がこちら。黄色丸で囲んだ電解コン。
ここの電解コンデンサは、整流ダイオードから出てすぐの平滑用。
電源回路はダイオード2個による倍電圧整流回路なので、この電解コンデンサへの印加電圧は約240VでB電圧用のDC480Vを生成している。L/R ch独立の整流回路としているので4本使用。
ただ、ここに使用する電解コンデンサは高リップル対応品が必要。しかも近くの電源トランスが長時間通電でかなりの高温になるため温度対応品が必要。
現在搭載されている物ものには型番ナシ、温度範囲、耐リップル性能も不明。中華製。
この4本を交換する事に。
交換用として購入したのが、BC Components(Vishay Group)製の220uF/500V品。Φ35 x 35H
温度範囲:-25℃~+105℃、寿命:5,000Hr at +105℃、低ESR、高リップル電流対応品(特に低周波域)。これなら安心して使えそう。
今までのものと比較。長さが半分以下。小型化技術の進歩?
既存の固定金具をそのまま使用して取り付け。
出来るだけ熱影響を受けない様に、離れた場所にラグ端子を設け、そこにダイオードや抵抗を配置。L/R ch独立した整流回路。
なんとなく上手く纏める事が出来た。通電後、各部の電圧を確認。
以前に比べ高さが低いため、シャーシからの飛び出しが少なくなっています。
そのため、電源トランスの熱影響を受けにくい。
ついでに、他の箇所も少し部品交換しました。
・初段カソード・パスコン
SAFCO 680uF/25V ⇒ ROE製 220uF/63V に交換。SAFCOは音が固く繊細な感じ。
・ムラード回路のコンデンサ
ASC X363UW 0.47uF/400V ⇒ Orange Drop 225PY 0.47uF/400V に交換。音に色付け。
そしてそして、、、
出力管KT88には、どうせ後生大事に仕舞って置いても、いずれ宝の持ち腐れになるだけだろうと思い、虎の子のGEC製を投入!!!。
固定バイアスなのでIp=45mAに調整。半固定ボリュームは殆ど動かさなくて良かった。
やっぱり、これは格が違う。なんと表現したら良いのだろう。ずっと聴いていたくなる魅力的な音。この球がアンプ全体の音質を支配している。
これでレコードを聴くと最高!!!ですね。しばらく聴く事にします。