数か月前から製作を計画していた6DJ8系を使った真空管差動プリアンプがやっと完成しました。
検討したのは、いつ頃だったかな~? 遡ってみると7月の終わりでした。パーツ屋さんがコロナの影響で暫く休業されていたため手つかず状態でしたが、漸く部品が揃い、2週間くらい前から作業開始。
シンプルな回路だけに自分好みの聴ける音が出る様になるまで何度か試行錯誤し、漸く投稿が出来る状態になりました。
作業自体は、現状の12AU7直結、カソフォロ回路から、今回の差動回路に改造です。
レイアウト検討や配線、作業を進める中での回路の見直し等で結構時間が掛かってしまいました。
回路構成自体は、ぺるけさんの回路そのままです。
回路で苦労したのは、6DJ8の『ヒーター電圧』と、差動の『マイナス電源』をどこから取ってくるか?でした。
まず『ヒーター電圧』については「12AU7は12V」「6DJ8は6V」ですね。
閃けば簡単な事でした。左右chのヒーターを直列に繋げば良いだけの事でした。
次に『マイナス電源』。
色々と悩んだんですが、現アンプの電源部を見渡すと、電源トランスにヒーター用6.3Vが1回路余っていました。これはB電源の整流回路を「球からダイオードに変更」した時に余った回路。
この回路を使ってブリッジ整流でマイナス7.4V(-7.4V)を作りました。
回路のポイントを幾つか。
1) 定電流回路には「LM334Z」を使用しました。
この素子は、Max.10mAなのでRSETを調整して9.5~9.7mAに設定しました。
2) V+電源
ここの平滑コンデンサは、出力信号ループが入り込み、実際の信号が通るため、このコンデンサの質により音質に影響が出てくる様です。左右Chでも独立させています。
念のため、V-電源も左右府独立させましたが、ここは定電流回路があるので必要無いかも。
3) NF量の調整
6DJ8の負荷が軽くも重くもならない様にゲイン調整。
出来上がって音を聴いてみると、何の味付けも無いストレートな音です。まるで半導体の様な真面目な音です。ボーカルが魅力的では有りません。色気が有りません。球の良さが出ていません。音楽を愉しく聴くことが出来ません。
これは私の好みでは有りません。どうした物かな~? と悩みました。
定電流回路が半導体LM334Zだから?
そもそもこれが差動アンプの音?
差動と言っても平衡回路から不平衡で信号を取り出している。
元の回路に戻そうかなとも思いました。
それで私なりに試した事が以下。
①『 V+電源の電解コンデンサを交換』
何となく、音の通り道になっているV+電源のコンデンサが音質に効いてそう(勝手な想像)。
と言うか、この電解コンはすでに10年以上経過しているので、劣化してるのかも知れません。
元はBMI(US製の33uF/450V(ビンテージ品黒)、これをF&T(Germany)の47uF/500Vに交換。
フィルムコンをパラに抱かせてみましたが、中域~高域が不自然になってしまい駄目です。
これは恐らくその帯域だけESRが下がるためでしょう。
将来的には、他の電解コンも試して見たい。
②『抵抗タイプの変更』
手持ちで近似値のある抵抗をDALE RN60D(金皮)からA&B(カーボン)に交換。
結果、結構良くなりました。効果が有りました。
良い感じの音になりました。ジャズボーカルも元よりは魅力的に歌う様になりました。
更に、出力のカップリングコンデンサをSPRAGUE VitaminQ(PIO)からWestcap CPV09A(PIO)に交換。
コレ!良いですね。良い感じになりました。
絞り押し出す様な音になりました。ちょっとダンプが効いている感じの音。
この差動回路で感じた事は、構成がシンプルなだけに、部品の個性、音質差が出易いかも知れません。
今のプリアンプのラインアンプ部の様子です。
(表側)
(裏側)
配線にも拘ったつもりです。
真空管の空きソケットを利用してマイナス電源の配線をしています。
6DJ8系には、6922、ECC88、プレート耐圧の高いE88CCなど数種類が有ります。
私もブランド違いなど何種類か持っていますので、今後、取り換えて音の違いを楽しんでみたいと思います。
写真では分かりませんが、現在乗せている球は『テレフンケンのダイヤマーク付き』です。
リファレンス球として音質調整に使いました。
(2021.10.2 追記)
この回路は見直しが必要で、現在改版検討中です。後日更新します。
私の現用プリとほぼ同じ回路で、カップリングコンも同じなので、似たような音が出ているのではないかと思います。
ところで、この回路の動作についてですが、入力電圧の通り道を誤解されていませんか。
差動回路の入力は2つのユニットのグリッド間になるので、不平衡入力でしたら左側グリッドをホットにしたなら右側グリッドはコールド(GND)を接続します。
したがって、グリッド抵抗620kΩと47.5kΩのGND側はできるだけ短く配線し、その交点にVRのコールド側を接続すると良いです。
この三本の配線の途中に他のGNDを接続してはなりません。(3本の配線の交点に他のGNDを接続する必要があるということです。)
ついでに、B電源47μFとC電源の1000μFのGND側配線も、できるだけ短く接続したほうが良いです。
すでにこれらの対策ができていれば問題ありませんが、点検してみてください。
ご無沙汰しております。
いつもアドバイス頂き有難うございます。
グランドポイントについては、ほぼ出来ていると思います。ただ、VR(GND)についてはレイアウトの流れのままになってしまっています。
それよりも、出来上がった時から納得の行く音質では無く、またノイズレベルも高くて悩んでいましたが、漸く重大な問題点、原因が見つかりました。内容は後日投稿します。
別件ですが、この私のブログの最新コメント欄「EDさん宅 訪問記」へ金久保宏一さん(?)からコメントを頂いています。
ATCのSCM-200SLPT所有されているとの事ですので、ご興味があればコメントを返して頂くと有難いです。
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/f32dd3cf1ce5c868e2c87b2dc8a64ac7