他にも音質改善に繋がる箇所があるのではと思い、少し弄ってみた。
ひとつは回路部品、もうひとつはヘッドの再研磨。後者は次回に投稿。
ティアックのカセットデッキ V-5010のBIAS TRAP回路を見直し。
この回路は、テープに録音する時に重畳させた高周波バイアスを再生時にトラップする目的のものです。
一般的なバイアス用発振周波数は、80kHz~100kHz、HX Pro搭載器で150kHz位だったかな?(←記憶が曖昧)
この機種の場合はHX Pro搭載なので、サービスマニュアルによると「150kHz」です。
そのため、カットオフ周波数は他社品(ソニー)と比べると少し高めに設定されています。
そこで、少し下げてソニー品に近づける様に定数変更。
(ソニー製品の場合)
TEAC V-5010では、L(L101に該当)=27mH、C(C108に該当)=39pFになっていましたが、部品箱にシルバーマイカ 75pFが見つかりましたので、Cだけをこれに変更する事にしました。
オリジナルは、円板セラミックコンデンサの39pF。←これでは歪っぽい音です。
インダクタ(コイル)での音質影響も気になりますが、これを取り除くにはGIC回路を使わなくてはなりません。
一時期ソニーがGIC回路を積極的に取り入れていた様ですが、片ch当たりオペアンプが2回路必要且つ複雑になります。ソニーでも後期モデルではLCフィルタに戻してる様です。コストの関係?
(SONY TC-K555ESG 回路)
ここでちょっとヘッドアンプの回路についても、調べてみました。
各社色々と違いがある様ですが、1980年代はDCアンプ構成が主流。
当V-5010のアンプ構成は、ソニー TC-K555ESGやK555ESA、TC-K666ESによく似ています。
当時、他社の製品を分解、回路解析、研究したのでしょうね。
TC-K55ESGはバイアストラップ回路がGICですが、ここをLC型にした感じ。
この状態で聴いてみると、今までよりも歪っぽさが後退したように思います。
バイアストラップのコンデンサをセラミック・コンデンサからディップ・マイカ・コンデンサに変更した効果と思います。