引き続き、両チャンネルの古いエッジ除去~新しいエッジ貼り付け作業まで順を追いながら書きます。
<古いエッジの除去作業改善>
インチサイズの6角レンチが入手出来ましたので、ネジの緩め、ユニットの取り外し作業が早くなりました。
そして、フレームからのウレタン残渣の取り除きも、カッターナイフの背ではなく、マイナスドライバーを使い大胆に削ぎ落し、その後アルコールと綿棒で洗浄。こちらも作業効率が良くなりました。
<新しいエッジの貼り付け>
古いエッジの除去が終わったら、いよいよ新しいエッジを貼り付けます。
交換用のウレタンは、前にも書きましたが、ノースウエストトレーディングから購入。
元のコーン・エッジ、フレーム・エッジ、そして新しいウレタン・エッジに、接着剤を付属の筆で塗布します。新しいウレタン・エッジの裏表に注意します。梱包緩衝材に「上面」と書いてありました。
作業には、マスク、手袋着用、換気は必須です。
接着剤は、少量ずつ薄く塗り伸ばしながら重ね塗りするのがコツです。乾き始めたら薄く再塗布します。
あまり多く付けると、乾きが遅く、何時までも接着せず反発力で浮いてしまいます。
上下左右が均等になるように新しいエッジを配置し、軽く押さえます。
この時に「センター出し」が必要です。←ここが重要!。
コーンを上下に動かして、擦れとか異音がしないようなポジションを探して、まず対角4箇所を仮止めします。
それから、周囲全体を接着して行きますが、これが結構面倒で、時間を掛けて、ある程度接着する(反発しなくなる)まで、何度もなぞる様に押さえる必要があります。私は綿棒を使いました。
10分くらいで接着材が乾き始め、浮かなくなりますが、その間もセンターに注意する必要があります。
エッジの内周は、円筒形のケースの底で押さえても良いでしょう。私は100均の綿棒ケースの底を使いました。
接着剤が完全に乾いた後(約2時間後)、センターの再確認とエッジの浮きが無いか確認します。
使い終わった筆は、水で洗浄します。
新しいエッジの貼り付けが終り完成したユニットがこちらです。
自分では、綺麗に仕上がったほうと思います。
作業的には、1本の硬化待機中に、もう一本の剥がし作業と貼り付け作業を行い、時間を効率よく使いました。
しかし、作業姿勢が悪いのか、腰が痛くなり、1日4時間の作業で4本の完成が限度です。
なんとか、片面8本、左右チャンネルで16本のエッジ交換が終わりました。
次に反対面の1本(こちらがフロント)の交換に行きますが、ここで困りました。
<フロント側のエッジ交換>
まず、サランネットの外し方が判りません。接着でもなさそうです。
WEBで色々と調べた結果、ステップルで機械的に固定してあることがわかりました。
しかも留めてある箇所が非常にわかりにくい。これは諦める人が多いでしょう。
これをマイナスドライバーと金槌、ラジオペンチを使って外しました。
4隅と左右中央の写真で少し白っぽくなっている所です。
ステップルがこちらです。6本。アメリカらしい加工ですね。
開けてみると、やはりフロント側も朽ち果てています。
こちらも同じように交換しました。
交換しながら思いましたが、このユニットは、スピーカーのサイズ11.5cm径の割には大きなマグネットが使用されています!
JBL LE8Tがマグネットが大きく強力なのは有名ですが、このユニットも大きい!
これがエネルギッシュで迫力あるボーズサウンドを作り上げてるひとつの要因のひとつなのでしょう。
これが片チャンネルで9個。インピーダンスは、0.9Ω/個 x 9個直列 = 8.1Ω。
マグネット材料もこの時代なので、フェライトではなく、恐らくアルニコと思う(確かではありませんが)。
そういえば、会社寮の部屋に、このスピーカーを置き、その近くに当時まだブラウン管だったテレビを置いた時に、画像が歪み、色も異常になりました。そうです、ブラウン管内の磁力線が狂った?のでした。恐るべし。
人体には影響は無いのでしょうかね?またパソコンのHDDには影響は無いのでしょうか?心配になります。
全てのエッジ交換が終わったところです。
リア側。
フロント側。
無事に蘇生できました。壮観です。
取り掛り始めは、どうなる事やらと思いましたが、大体1週間で作業が完了しました。思わぬ作業が早く進みました。
エンクロージャー、ダクトの拭き清掃、サランネットに蓄積した埃の吸い取りを行った後、音出し確認をしましたが、ビビりも無く、音が出ています。一旦は、成功でしょう。
次は、専用イコライザーの動作確認です。
BOSE901は、この専用イコライザーを使わなくては意味がありません。