昨年のちょうど今頃、「6C33Cアンプの改造点のまとめ」に書きましたが、あれから1年経って漸く、NFB(負帰還)量を調整しました。
気温が下がり、冬が近づくとこのアンプの出番です。
このアンプ、今まで散々弄りましたが、それでも他のアンプに比べたら今一つ元気が無い。
音質は優秀で良いのですが、魅力が無く、私好みの音では有りません。
音離れが良くなく、トラ・アンプの様に平面的でかなりデッドな感じです。
真空管本来の持ち味である響き、音空間の広がり、臨場感が有りません。
それにずっと聴いていたくなる様な、人の心を引き付ける魅力が不足しています。
おそらくこの感覚は真空管アンプ愛好家の方々には、良くお分かりでしょう。
そこで、今迄の改造でやり残していた「NFB量の調整」を実施する事にしました。
オリジナルの設定は、メーカー説明書によると「5.5dB」となっています。
この時のNFB抵抗は、回路図より「1.5kΩ」。
この抵抗値を変更してみます。
逆算で裸利得を求めてNFB量を再計算すると、「2.0kΩ≒4.5dB」「2.2kΩ≒4.1dB」となりそうです。
※オシロできちんと裸利得を求めれば良いのですが面倒だった。
それぞれの設定で音質を確認した結果、「2.2kΩ」としました。抵抗は手持ちのPRP製(USA)を使いました(中央赤色)。
この変更により、音が生き生きとして生命が吹き込まれた様に元気になりました。音離れも良くなりました。
ちょっと低音がダブつくので「2.0kΩ」でも良かったかも知れません。この辺りは好みで。
低音がダブつくのは、ダンピングファクター(DF)が悪くなった為でしょう。
※これも実測すれば良いのですが、最近は億劫になってしまい(笑)
その後、NFBのC(150pF)も変更してみましたが、容量を小さくすると、音のエッジが立ちキツイ音になり、聴きづらくなったので、元の150pFのままとしました。オシロで矩形波の立ち上がりを見ただけでは余り変化が有りませんでしたが。
そして、このNFB量の変更の前に、もう一箇所変更したところが有ります。
出力段6C33Cのカソードのパスコンです。
使用したコンデンサは、最近お気に入りの「Sprague(スプラグ)製の EXTRALYTIC 600D」。
このコンデンサは、解像度の高い、何とも言えない音がします。特に高音が綺麗です。
しかし、このコンデンサは本領発揮までに一ヵ月くらい掛かるので、事前に変更しておいた。
銀色円筒の120uF/60Vです。ハーメチックシールが施されています。結構長さが有ります(L=56mm)。
実際に印加される電圧は21Vですので、ディレーティング的にも大丈夫でしょう。
これらNFB量の変更とカソパスの換装で、気持ち良く楽しく音楽が聴けています。
今までは、「トライオード(三極管)シングルの音は、音は綺麗だが、迫力が無くて、私が聴くジャズ、ロック、ポップスにはあまり向かなく、クラシック向きだな~。」と言うイメージだったのですが、今回の変更で印象が変わりそうです。
鮮明で透明感のある音で尚且つパワー感も有ります。KT88 PPなどとはまた違う音です。
このアンプ、今まで散々弄った所為で最初にキットで組み立てた時とは、中身も音質的にもかなり変貌しました。まるで別物の様です。
私も医療機器系の知識は多少あり、半田コテも使いますが肝心のオーディオの知識がありません><
なので素子として高評価な部品を付け替えたりする程度です。
父は真空管世代でしたのでトランスなども自分で巻いて(モノラル時代です)楽しんで居たようで子供の頃押し入れに残骸がイッパイでした。
ラジオから始まり、スタックスHPやフォスターのSPを買ってきてくれたりと子供の頃を思い出してしまいコメントをつい書かせて頂きました(汗)
ちなみに当時父はリボンツイーターも自作してたようですが、即壊れたと言ってたのを思い出しました^^;
コメント有難うございます。
フォスターのSP、懐かしいですね。
私も若かりし頃にFOSTEXの10cmユニットを使って、スピーカーを作った事があります。コンパクトでも人間味の有る良い音がしてました。
不定期更新ですが、また寄ってください。