近所の美容師さん(SF好き)からの推薦図書。
他の推薦は1984、アンドロイドは羊の夢をといった
ゴリゴリの古典SFなのに
なぜここで元祖経済小説推しなのだ...。
結論から言ってこれはもう城山三郎の代表作だわ!
圧倒的に読みやすく
序盤からページをめくる手が止まらない。
登場人物が少なく
展開も大きく変わらないことから
短編小説のような読み応えではあるが
うわぁ、こういう経営者いらっしゃるなぁと
名前や顔が浮かんでは消えてゆく。
登場人物が若手も含めて戦争経験者というところに
時の虚を感じるが
少し遡るだけで
戦争は当たり前にいて
そう遠くない延長線に生きていることに驚く。
幸か不幸か
社長が何回も変わるような構造の会社に勤めているわけではないが
やはり社長になるということは
勤め人の1つの夢なのだろうか。
最近ではその夢をかなえるために
起業という手段をとる人の方が
多いようにも感じるが。
会社は運命共同体だと
矢吹は語っているが
ずいぶん古い考え方のようにも感じられ
企業の形や、株主・従業員との関係も
大きく変わっていることを
当たり前のようだが
改めて感じられた。