孟嘗君(宮城谷昌光)
鶏鳴狗盗の故事で有名な戦国四君の一人、
孟嘗君こと田文の物語。
ただし70%はその養父「白圭」が主役(笑)
文献も少ない中で面白くしようとするのは難しいのだろうなぁ。
ほとんどがフィクションとは言わないけど
創作ぽい。
とくに白圭がw
史記や18史略のなかでは孟嘗君はもっと悪そうなんだがなぁ。
項羽と劉邦(司馬遼太郎)
言わずと知れた始皇帝没後~前漢までの楚漢戦争のお話。
主役は項羽でも劉邦でもなくまさに司馬遼太郎。
楚漢戦争を枕に司馬が独自の中国観をひたすら語る本。
司馬フリークじゃないと完読はきついかも。
自身も中学生の時に挫折してるし。
もちろん韓信も張良も范増もでてくるが
基本あまりクローズアップはされない。
司馬特有の起伏のある文章もなりを潜めているように思う。
世界よ踊れ(ナオト・インティライミ)
よくある(というと失礼だけど)バックパッカー本。
「お前にそっくりな歌うたいがいる」
と言われて買ってみた。
ひたすらポジティブというか能天気というか。
興味を持ったのは訪問地に「ジパング」とあり、
外国人のふりして日本を訪問していること。
さらになんとびっくりなことに
ナオトくんは
2003年8月14日にインドで
プジャゲストハウス@バラナシにチェックインしているが、
俺も同じ日にバラナシにいて
しかもまったく同じ日にプジャゲストハウスをチェックアウトしている。
世界はせまいなー。
上と外(恩田陸)
和製インディジョーンズな冒険譚。
この人の文章は肉付け肉付けでストーリーができあがっていく。
ところどころに
恩田流格言が織り込まれてるのが結構好きな作家。
誰もが通ったような思わず
あるある!
と共感できるような気持ちを上手に代弁してくれる。
「人間、自分は親に嫌なところばっかり似たって思うんだよね。
親からもらったいいものは感情に入れていない。
いいものは持ってて当たり前だって思ってるし、
自分が元から持ってるものだって思ってる、
で、
ここも嫌だあそこもいやだってところばかり数え上げて、
親を恨む。」
深いなぁ。
ストーリー的には南米が舞台なので、
ワイルドソウルな展開を期待するが、
どっちかというと夜ピク的な展開。
実写化したらおもしろそうだな。