近所にすばらしい図書館を見つけた!
で、さっそく司馬遼太郎の長編を借り続けた。
長編小説ながら
第6巻のためにすべてが進められ
5巻までは何の事件も起きない。
高田屋嘉兵衛という人物を知り
ロシア帝国という巨象のような国家
を理解するために
最初の5巻は惜しげもなく
ただただページをさかれる。
この愛すべきタカダヤタイショウは
天性の船乗りかつ
商売人であったが
後ろ盾がえられず
蝦夷地にその基盤を求めたがために
ひょんなことから国家問題にまきこまれ
ロシア帝国との人質交換の役回りを余儀なくされ
その1年余りの出来事を主題にして
当時の日露関係を浮き彫りにし
今日に至る諸問題理解の糸口になれば
そんな物語である。
昨今の日ロ関係といえば
シベリア侵攻・抑留
北方領土と
80年近く棚上げになって久しいものばかり。
今思えば
ゴルバチョフ、エリツィン時代に
もっとゴリゴリねじ込んで
一定の解決を試みなかったのか悔やまれる。
もっと言えば
シベリア侵攻の兆しありとの警告に目をつむり
取り返しのつかない結果をまねいた
大本営を許した風潮から変わっていないんだろうな。
いずれにしても先人の拓いた豊かな土地が
他国の版図に収まっていると思うと
残念でならない。
それはさておいても
タカダヤタイショウの
なんと気持ちの良い漢っぷりであることか!
ウラータイショウ!