僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

箱根の坂(司馬遼太郎)

2018年09月16日 | よむ

司馬遼最後の長編「菜の花の沖」から

初期へ遡って読むと

あぁ

初期だなぁ

とニンマリしてしまう。

室町幕府、足利体制の失敗は

将軍家に土地がないことと

守護・地頭・管領・公方と

文武を分けてコストアップし

指揮系統を複雑化してしまったこと。

そして権威争いのタネを自らまき散らかしてしまったこと。

農公武が全く別だったこの時代に

これをまとめてコストダウンをはかった第一人者が

最初の戦国大名、早雲庵宗瑞こと

北条早雲。

これに商をくわえてまとめ上げたのが

信長・秀吉かな。

日本史上初の戦国大名というほどだから

疾風迅雷の如く生きた人かと思えば

駿河お家騒動の仲裁に当たり世にでたのが45歳。

興国寺で一国一城の主となったのが56才。

堀越御所を襲撃して伊豆の足掛かりを得たのが62歳。

三崎氏を滅ぼし相模を平定したのが85歳。

韮山城での永眠が88歳と

実にスローライフ!

上巻は京都

中間は大井川~沼津

下巻は伊豆~三崎

相模編より伊豆沼津編のほうがおもしろいのは

関東が平野だけに

起伏に富んだストーリーが難しいからじゃないかな。