踊る小児科医のblog

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1957年生まれ以前に免疫? 新型インフルエンザ

2009年05月21日 | 新型インフルエンザ
実はこのデータが出て来るのを待っていたのですが、残念、1957年か。。
1957年(昭和32年)生まれは現在52歳(誕生日以降)。
もちろん、まだ確定的なデータとは言えないし、高齢者でも基礎疾患のある場合に罹患すると重症化する可能性はありますので、単純に年齢で区切って安心とか心配とか判断することはできませんが。。

「ソ連かぜは、1977年から1978年にかけてソ連で流行したA/USSR/90/77 (H1N1)によって起こったインフルエンザのエピデミック(局地流行)である。 よく似た株によるインフルエンザが1947年から1957年にも流行したため、免疫を持たない23歳未満の子供や青年に感染した。パンデミックと言われることもあるが、主に青年のみに感染したため厳密にはパンデミックではない。」(Wikipediaより)

この「1947年から1957年にも流行」したウイルスに感染した人だと、今回のA/H1N1に交差免疫があるのかもしれません。その後の「ソ連かぜ」の免疫ではダメなんだろうか?

【新型インフル】57年以前生まれに免疫か(2009.5.21 10:52)
http://sankei.jp.msn.com/life/body/090521/bdy0905211056015-n1.htm

 米疾病対策センター(CDC)のジャーニガン・インフルエンザ部副部長は20日の記者会見で、1957年より前に生まれた人の一部に、新型インフルエンザに対する免疫がある可能性を指摘した。
 さまざまな年齢層から採取した血液の分析で、57年より前の世代の血清から、新型インフルエンザのH1N1型ウイルスに対する免疫反応を示唆する結果が得られたという。詳しくは近く公表されるCDCの週報に掲載されるという。
 ジャーニガン副部長によると、米国の入院患者のうち50歳以上は13%で、高齢者が重症化する傾向のある季節性インフルエンザとは特徴が異なるという。(共同)

すでに全数カウントする意味がなくなっています

2009年05月21日 | 新型インフルエンザ
患者数…すでにA型陽性でも神戸では確定検査がされずに治療されていたり、東京ではノーリスクでA型陽性1人だけの場合は検査されない方針ですので、一つ前にも書いた通り、発表されている数倍から十数倍(このあたりは目分量ですのでわかりませんが千人~数千人)のレベルに達しているのではないかと思われます。

今回の経験は、いろいろな意味でのこの国の特徴(世界の常識からかけ離れた特異性)を表すものとして、きちんと記憶に留めておく必要があるでしょう。

「仙台方式」岩崎副市長の冷静な視点

2009年05月21日 | 新型インフルエンザ
岩崎恵美子先生(前仙台検疫所長・医師)は日本で唯一エボラの患者を直接治療し、SARSの時には八戸港で疑い患者を診察された経験を持つ専門家で、八戸でもSARSのあとに二度ほど講演していただき、拝聴する機会を得ました。新型インフルエンザ対策でも、日本で唯一「仙台方式」と称される現実的な対策を「強毒性」が想定される段階から構築して注目されてきました。

■視点・新型インフル
◇早期治療こそ公の責任--元仙台検疫所長の岩崎恵美子・仙台市副市長の話
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20090520ddn003040031000c.html

 感染症の専門家として「水際対策に期待するのは間違い」と言わざるを得ない。ウイルスは人について動くのだから、鎖国しない限り、完全には防げないからだ。
 今回はゴールデンウイークの人が動く時期に海外から入ってきたと推測される。症状の出なかった人もいれば、従来型のインフルエンザと診断されて治療を受けた人もいるはずで、実際の患者数は現状の数倍はいるだろう。
 より本質的な問題は、症状が出た場合にいかに早期に治療するかという医療体制整備だ。仙台市は、水際では防げず、流行は起きるのだという前提で現実的な対策を練ってきた。流行発生時には患者が殺到するため、発熱外来は機能しない。だから通常のインフルエンザと同様に開業医らに治療を担当してもらう。2年をかけて医師会の理解と協力を得てきた。
 流行は防ぎきれないが、きちんと治療をすれば治るのだから過度に心配することはない。かかってしまったらすぐに治療を受け、会社や学校を休んで治すこと。「人にうつさないことは公の責任である」という意識を育てなければならない。

#滋賀や東京の患者で「蔓延」が危惧されているようですが、患者数の増加が鈍ったように見えるのは「検査能力を越えて蔓延しているから」であって、実際には千人以上、おそらく首都圏には相当数発生しているだろうというのが医師のほぼ一致した見解です。一例で大騒ぎする段階はすでに過ぎています。全県一斉休校は意味がありません。