熊本熊的日常

日常生活についての雑記

里心

2008年04月14日 | Weblog
9月の渡英以来小さなストレスが累積し、先月一時帰国して東京は良いと実感し、先日から腰痛を患ったりしていると、気持ちは自然に東京へ向いてしまう。そんな心境にぴったりのものを見つけた。
http://www.youtube.com/watch?v=--dl-mtFObE&feature=related

娘へのメール 先週のまとめ

2008年04月14日 | Weblog

新学期は順調ですか? 黄色い手紙は届きましたか? もうすぐゴールデンウィークですが、何か楽しい予定はありますか?

私のほうは相変わらずです。良く言えば規則正しく、悪く言えば退屈に毎日が過ぎて行きます。今の仕事に就いて、この3月末で丸3年になりました。途中、職場は東京からロンドンへ移動しましたが、仕事の中身はこの3年間同じです。そろそろ別の仕事をしたくなり、今、いろいろ考えています。何か変化があれば知らせます。

さて、先週は、東京から友人が遊びに来たので、木曜と土曜の午前中に、その人たちを案内しました。ロンドンで生活を始めて半年になりますが、自分は観光をしたことがないので、案内と言ってもどこへ連れて行ったらよいのか見当がつきません。そこで本人たちの希望を聞いて、木曜は、郊外の植物園と市内
の商店街、土曜の午前中は骨董市を案内しました。東京から遠路はるばるやって来ても、土産物を買うのに多くの時間を割くのではつまらないだろうなと思うのですが、本人たちはそれが楽しいようです。人それぞれに楽しみがあるということです。

土曜日の午後は、1人で大英博物館で開催中の「The American Scene: Prints from Hopper to Pollock」を観てきました。エドワード・ホッパーは好きな画家のひとりなのですが、彼が絵を描き始める前に版画家であったことは知りませんでした。20世紀初頭から現代に至る74人の作家の作品147点が集められていましたが、お目当てのホッパーの作品は4点だけでした。その点は少し残念ではありましたが、その4点だけでも、彼の構図の独自性とドラマ性の素晴らしさが際立ち、なかなか満足度の高い展示でした。彼の作品の良さは、その絵の世界に時間を感じさせる構図にあると思います。そこで何があったのか、これから何が起ころうとしているのか、そんなことを考えさせる人物の動作の切り取り方、闇と光の使い方、風景の捉え方が秀逸だと思います。展示作品の解説によれば、彼が版画の製作を止めてしまったのは、絵が売れるようになり、版画と絵の両立ができなくなってしまったからだそうです。その時期は、彼が42歳の時とのこと。なるほど、人生の機微をよく知っているからこそ描くことのできる絵なのだと、妙に納得しました。

では、また来週。