昨日手にした10冊の本のうち、最初に読んだのは坂田和實の「ひとりよがりのものさし」。写真が多いということもあるが、おもしろくて、一気に読んでしまった。著者の坂田さんは目白で古道具屋を営んでいる。自分が感じる「美しさ」に徹底的にこだわっている様子がなんとなく伝わってくる。そうした価値観の軸を自分の中にしっかりと持っている人の世界というのは、何故かほっとする感じがして好きだ。
勿論、人は社会のなかで生きている以上、所謂「世間」から無縁ではいられない。しかし、世間に振り回されている人というのは醜悪に見えて好きにはなれない。逆に、自我の世界に没入している人には、取りつく島が無いように見える。自分の我を守りつつも、世間の眼も少しは気になる、というくらいが親しみを覚えて良いと思う。この本の世界は、そんな親しみのある世界なのである。
勿論、人は社会のなかで生きている以上、所謂「世間」から無縁ではいられない。しかし、世間に振り回されている人というのは醜悪に見えて好きにはなれない。逆に、自我の世界に没入している人には、取りつく島が無いように見える。自分の我を守りつつも、世間の眼も少しは気になる、というくらいが親しみを覚えて良いと思う。この本の世界は、そんな親しみのある世界なのである。