熊本熊的日常

日常生活についての雑記

Big Brother

2009年03月11日 | Weblog
保険事務所から厚生年金非加入期間分の国民年金保険料を支払うようにとのお触れが届いた。ロンドン在勤中は日本の年金制度に加入がなく、帰国に伴い加入を再開したので、非居住期間は第1号被保険者となり、その届と保険料の支払が必要になるのだそうだ。自分が年金を受け取る年齢になる頃に、果たして年金制度が維持されているのか大いに疑問だが、年金保険料を支払うのは国民としての義務であり、現実に自分の親が年金の世話になっているので、これは払わないわけにはいかない。

今、確定申告の時期だが、人によっては一旦納付した税金のいくばくかが戻ってくる可能性がある。税金を過剰に納めていたということなのだが、これは自分で申告しないと戻らない。

公的なお金の出し入れというのは、国民から徴収するほうは否応なく取り立てるのに、国民に払うほうは渋々だ。あわよくば払わないで済まそうという魂胆が見え隠れしている。なんとなく、そういう仕組みに違和感を感じないわけにはいかない。2008年12月末時点での日本の国債および借入金残高は846兆6,905億円である。GDPが515兆円(2007年)規模の経済にとっては決して軽くはない負担であることを考えれば、なりふり構わず銭集めに走る心情はわからないでもない。

ちなみに、イギリスでも確定申告を経験したが、こちらは納税額が1.8ポンド不足していることが判明し、帰国直前にクレジットカードを使って納税した。「Tax Return」という呼称を使いながら、わずかな不足額でも容赦なく徴収されることに若干の違和感を覚えたが、居住者全員が確定申告を義務付けられているので、公平な感じがする。

国家権力の話で思い出したことがある。その昔、株式市場では仕手戦というものがあった。政治家などからの「ここだけの話」をネタに特定の銘柄を買い煽り、その値動きにつられて提灯が点いたところで当初の買い手が売り逃げて利益を得るということが行われていた、そうだ。今は亡き或る政治家の秘書と懇意にしていた人が、いつものようにその秘書氏からもらったネタをもとに仲間から実弾を集めてある銘柄を仕掛け、無事に売り逃げたのだそうだ。その直後、その政治家と同じ政党の対立派閥に属する別の政治家から直接電話がかかってきて、その儲けをよこせという脅迫を受けたのだそうだ。自分は極秘裏に仲間から実弾を集めていたつもりだったのに、その仲間の面がすべて割れ、各自の実弾の大きさまでばれていたという。どのようにして調べられたのか全く心当たりがないのだそうだが、国家権力が自分に向かって牙をむいたように感じて怖い思いをしたと語っていた。今はそういう仕手戦が影をひそめてしまった。株式市場の規制が厳しくなった所為もあるし、政治家にかつてほどの力がなくなった所為もあるかもしれない。さて、昨今の所謂「経済危機」に対して、我らが国家権力は牙をむいて立ち向かうのだろうか。負けることがわかっている相手には死んだふりでもするのだろうか。