熊本熊的日常

日常生活についての雑記

不細工

2009年03月14日 | Weblog
2週間前に引っ越し荷物が届いて以来、その整理を続けている。大雑把には到着翌日までに終えているのだが、細かい分類整理がなかなか納得のいくようにできない。いろいろ考えた末、腰の高さくらいの棚がひとつあると片付くという結論になり、いろいろ見て歩いたのだが気に入ったものがない。3月3日付「綱渡り」に書いたような家計の状況なので無茶もできない。そこで、板と棒材を買って自分で作ることにした。

車があれば郊外のホームセンターにでも行くのだろうが、そういう贅沢なものは縁が無いので、電車に乗って東急ハンズへ行く。DIYのコーナーには規則正しく刻みの入った棒材があり、一般規格の大きさに加工された板材もある。これらを組み合わせ木ネジでとめれば棚は簡単にできあがる、はずだ。事前に大きさを決めておいたので、それに一番近い完成品になるような組み合わせの材料を購入して住処に持ち帰った。

材料はどれも或る規格に基づいて加工されているのだが、組んでみると微妙にずれが生じるようで、多少のがたつきがある。これを修正すべく、力を込めて材料と材料を押さえ込んでみたり、向きを変えてみたりしながら30分ほどで一応できあがった。ふと手を見ると、右手親指にまめができ、それがつぶれていた。それまで何も感じていなかったのに、まめがつぶれているのを見ると急に痛みを感じる。

材質などにこだわらなければ、既製品を買ったほうが安上がりだ。しかし、機能だけが物の性能ではない。結果として同機能かそれ以下の手作り品を割高な費用で手に入れることになる。作るのは素人なのだから、棚という単純な形態のものであるにもかかわらず、どこかぎこちない感じが否めない。それでも、負け惜しみに聞こえるかもしれないが、化粧板でできたきれいな棚よりも、桐の不細工な棚のほうが、部屋に置いたときの雰囲気が好ましいものに感じられるのである。