熊本熊的日常

日常生活についての雑記

「ツレがうつになりまして」

2009年03月13日 | Weblog
あるメディア企業のサイトの書評欄で見つけた。アマゾンのレビューにも目を通してみた。マンガというのは滅多に読まないのだが、評判が良いので読んでみることにした。書評やレビューにもあったが、病気の本人よりもその周囲の人々が一読すべき本だと思う。

1月26日付「君死にたもうことなかれ」にも書いたが毎日のように人身事故で鉄道に遅延が発生している。遅延で自分が迷惑を被ったのは帰国後2ヶ月間で3回ほどだが、「ほど」と言うには頻度が高すぎるように思う。鉄道の人身事故の全てが自殺によるものというわけではないだろう。しかし、これまで年1回の公表だった警察庁の自殺統計が今年1月分から月次の公表に切り替えられたことに象徴されるように、ここへきて自殺が増えていることは間違いない。自殺がすっかり日常の風景と化していることに何かしら異様なものを感じる。

今から思い返せば、自分もウツだった時期があったかもしれない。詳細を開示することは差し控えるが、端的な現象としては、家に帰ることができなくなったのである。仕事を終えて帰宅して、家の前まで来る。明かりが漏れていて中に家人の気配を感じると、そこから先に進めなくなるのである。家人は就寝時間が早い人だったので、そのまましばらく散歩をして時間をつぶし、戻ってみて家の明かりが消えていると中に入ることができるという具合だった。ちょうど自宅を購入したばかりの頃だった。自宅とは言え、そこにずっと住むつもりはなかったので、設計への関与も形だけのものだった。建てる意識としては2008年4月25日付「暮らしをデザインする」のなかでも触れた通りである。そうなれば、「自宅」といっても、ただの借金のかたまりでしかない。その頃、たまたま新聞記事で六本木ヒルズに深夜まで営業している会員制の図書室があることを知り、すぐに申し込んだ。それからは職場を出た後、この図書室に寄って本を読んだり勉強したり時間をつぶすことができるようになった。ここは単に図書室があるだけではなく、毎日のように様々なセミナーや講演会が開催されている。どれも面白そうなものばかりで、実際に参加してみるとハズレたものはひとつもなかった。時間をつぶすという消極的理由で会員になったのだが、かなり充実した時間を過ごすことができた。残念ながら、帰宅拒否症候群のほうは悪化の一途を辿り、晴れて離婚を迎えることになった。

今は引っ越してから1ヶ月しか経ていないという所為もあり、帰宅が嫌というようなことは全くない。それどころか、家の中で過ごす時間を大切にしたいと考えている。