熊本熊的日常

日常生活についての雑記

二次元系・三次元系

2009年03月29日 | Weblog
まだ満開にはなっていないが、花見がてら子供と住処の周辺を散策した。染井霊園には桜の古木がいくつもあり、その木肌とは対照的な可憐な花をつけていた。天気には恵まれたものの、肌寒さと墓地という場所の所為なのか、人影は疎らで良い雰囲気だ。

霊園を抜けて六義園に着くと、普段は閉鎖されている入口が開かれ、そこから長い行列が伸びていた。正門のほうに回ってみたが、やはり行列。入場は諦め、小松庵で腹ごしらえをすることにした。ところが、小松庵の前にも行列。そのまま通りすぎ古河庭園まで足を伸ばす。六義園や有名蕎麦店には人が集まっているが、本郷通りの交通は閑散としている。日曜という所為もあるだろうが、これほど車が少ないのは、景気の所為もあるのだろう。

古河庭園は薔薇で有名だが、さすがに今は咲いていない。それでも、手入れの行き届いた庭園は、やはり日本の庭園だと感心する。大きな緑地ならロンドンのほうがはるかに身近だが、彼の地の公園は見せることに主眼が置かれているような気がする。対して此の地の公園は見えないところの手入れをきっちりすることで魅せるという姿勢を感じる。古河庭園を出て滝野川公園を抜けて線路伝いに飛鳥山へ。

飛鳥山は都内有数の桜の名所。たいへんな賑わいである。ここでようやく昼食にありつく。たまたま見つけたゴリノスという店で子供はカルツォーネ、私はミックス・ピザをいただく。ピッツァでもなければピザでもない、ピザパイに限りなく近いものだった。自分で作るものによく似ていて、なんとなくほっとする味だ。飛鳥山からは都電で庚申塚へ出ようかと思ったが、混んでいて乗れそうにないので、そのまま歩いてゲーテの小径から染井霊園に抜けた。

道々、子供の話を聞いていた。クラスのなかは仲良しグループに分かれるのだそうで、そのグループ分けの基準は、共有できる話題の種類によるのだという。この話題が、大きく分けると二次元系と三次元系に分類できるのだそうだ。二次元系というのはマンガとかアニメという、平面で表現されるもののことで、三次元系というのはアイドルタレントのように立体的存在として認識されるものだそうだ。この「二次元系・三次元系」というのが子供の通っている学校だけで使われている尺度なのか、世間一般に通用しているものなのか知らないが、少なくとも自分が中学生の頃には聞いたことがなかった。よくよく聞いていると、二次元系の人は概しておとなしく、揉め事を起こしたりすることが少ないのだそうだ。三次元系の人は自己主張が激しく、三次元系のグループどうしの対立もままあるのだという。安易に物事を類型分けするのはいかがなものかとも思うが、表現は面白い。クラスで数人はこうしたグループのどれにも入らない、あるいは入れない子がいるのだそうで、そのことを気にする向きもあるという。子供曰く、「そんなことは個人の問題であって、クラスの問題ではない。」全く同感である。