午前中は投資用マンションの理事会に出席。竣工してから10数年になるので大規模修繕についての話し合いだ。たまたまNTTドコモから屋上の基地局を設置させてもらえないかとの照会があり、設置を担当する工事業者が概要説明に参加する。先月下旬に大規模修繕へ向けての現状確認のため現地視察を行い、これから時期について検討する。理事のなかにこのマンションのすぐ裏手にお住まいの方がある。そのお家も中層のビルで一部を貸家にしている。少し前にその理事の方のところにもドコモから基地局設置のお伺いがあって断ったそうだ。ご家族が健康への悪影響を懸念されたとのこと。理事会の最初はドコモから相応の賃料収入があるとのことで基地局設置賛成の流れで動き始めたが、その理事が「同じ話がさ、この前うちにも来たんだよ」と家族の反対で断った話になって、基地局設置請負業者の人と我々理事との間で質疑応答が活発化し、1時間ほどのやりとりの後、管理組合総会で改めて話し合うとの結論になった。大規模修繕のほうはオリンピッック前後に実施という予て理事会で話し合われていた通りの方向で収まる。
午後は陶芸。焼き上がりの口径が26cm程度の鉢を作ってもらえないかとの依頼が昨日あり、さっそく鉢を挽く。先生に直されたりしながらもなんとか3つ挽き、これらとは別に2つ挽いてうまくいかずに潰した。3つとも挽きあがりの口径が26cmなので、これでは依頼されたものよりも小さくなってしまう。引き続き次回も鉢を挽かないといけない。いつも思うことだが、ものを作るときは工程の最初、下ごしらえが一番肝心である。陶芸なら土の練りだ。ここをしっかりやっておくと後が順調に進みやすくなる。土の練りというのは「これくらい」というデジタル表示がやりにくい。土を触っていて、自分がちょうどよいと思う柔らかさになるのがよい。そして、求める柔らかさとか固さになったら、土のなかから空気を抜いてやらないといけない。荒練りと菊練りということなのだが、その加減がいまだにドンピシャとはいかない。なんとなくうまくできたなと思うときでも、他のことで思い悩むのだが、これは練りがちゃんとできてないと思うときは、心底がっかりしてしまう。そもそも自分は素人で、作陶の道を極めようなどとは微塵も思ってはいないのだが、やり始めるとついつまらぬ夢想をしてしまう。できなくてがっかりするということは、それだけ自分が真剣になっているということなので、真剣になる対象があることをまずは喜ばないといけない、と自分に言い聞かせて心を鎮める。こういうときは自分の工房を持って毎日土に向かい合いたいと一層強く思うのである。
夜は実家に行って両親と食卓を囲む。実家の最寄り駅に着いたとき、激しい雷雨だった。タクシー乗り場には長蛇の列があり、歩いていくのが現実的かと考えて、しばらく駅ビルのなかの商店をひやかして雨足がおさまるのを待つ。帰りは雨足がうんと弱くなったが、雨は上がらなかった。