万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

金元工作員の鳩山別邸滞在―秘密主義の気配

2010年07月20日 15時54分21秒 | 国際政治
金賢姫・元工作員、鳩山・前首相の別荘に滞在(読売新聞) - goo ニュース
 北朝鮮による拉致事件は、国際法ならびに国内法上の犯罪であり、我が国に対する主権侵害にも当たります。本日、金賢妃元工作員は、拉致事件の証人として来日しましたが、鳩山前首相の別邸に滞在することには、何か、秘密主義の気配を感じるのです。

 そもそも、金元工作員は、政府が拉致事件の調査のために、政府チャーター機まで飛ばして招いたのですから、事件の本質からしまして、実務的な対応が望ましいケースでもあります。しかしながら、前首相、かつ、国会議員であるとはいえ、私邸に滞在するとなりますと、事件の証人というよりも、外国の賓客へのプライベートなもてなしに近い対応をしたことになります。政府チャーター機と私邸滞在の両対応はちぐはぐですし、警備のしやすさが別邸滞在の理由とされてはいるものの、むしろ、広大な緑地の中では、何者かが潜んでいても発見し難く、また、密かに訪問者が通るための隠れた”抜け道”もありそうです。

 金元工作員への政府の対応は、むしろ、何事も秘密のうちに事を運ぼうとする、北朝鮮の手法に近いのではないかと思うのです。

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コメント (4)
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