万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

カンノミクスは製造業撤退政策?

2010年07月05日 17時53分36秒 | 日本政治
競争力低下 取り残される日本(産経新聞) - goo ニュース
 管首相は、増税による税収増加を、医療、環境、介護・・・といった社会保障分野に重点的に配分し、新たな成長産業に育てるというカンノミクスを打ち出したようです。しかしながら、この政策、中韓に製造業を譲り、市場からの撤退を意味する政策なのではないかと思うのです。

 何故ならば、カンノミクスには、我が国の製造業の競争力強化政策は、何も含まれていないからです。しかしながら、戦後、今日に至るまで、我が国の基幹産業となり、経済成長の原動力となっきたのは、”ものづくり”、すなわち、製造業の分野でした。現在でも、雇用の大半は、製造業によって支えられています。新たな成長産業を育てることは長期的には重要なことですが、肝心の製造業が壊滅してしまっては、国民の所得も雇用も減少の一途を辿ることになります。

 しかも、カンノミクスが想定する成長産業は、社会保障分野という”大きな政府”路線に位置しており、実際に、どの程度、経済効果があるかも分かりません。新たな産業が失業を吸収できるほどに育ってもいない段階で、製造業を切り捨てるとなりますと、国民生活はさらに悪化するのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする