万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本財政は大丈夫?―非常事態への足音

2010年07月09日 13時04分24秒 | 日本政治
地方税、過去最大の3.5兆円減=09年度決算見込み―総務省(時事通信) - goo ニュース
 2007年度には14.7兆円あった法人税収は、長引く景気低迷を受けて、現在では、6兆円程、つまり、半分以下に減少しているそうです。この減収分だけでも8兆円にのぼるのですから、日本財政は”火の車”です。

 巨額の減収分は、現在、国債の増発で補われています。しかしながら、個人向け国債キャンペーンも不発に終わり、本日の新聞報道によりますと、財務省では、海外での日本国債の販売を促進するために、新たに情報官を設置するとのことです。これらの一連の財務省の動きから、日本国債の安定消化に不安が生じてきていることが読み取れます。加えて、今後、政府が、歳出の削減や増税を見送りますと、国債の買い安心感もなくなり、価格暴落のリスクも高まります。

 参議院選挙を控え、民主党は、有権者を意識してか、”給付政策”の見直しには消極的です。しかしながら、国債が消化できなくなった時点で、カリフォルニアのように、否応なく、政府活動が停止状況=非常事態に追い込まれることも大いにあり得ることです。有権者は、投票に際して、国債リスクをも考慮に入れるべきと思うのです。

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コメント (6)
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