クリミア、フルシチョフが帰属変更…係争の一因(読売新聞) - goo ニュース
ウクライナでの政変を機に、クリミア半島では、ロシアの軍事行動次第では”第二次クリミア戦争”の勃発さえ懸念されるようになりました。仮にロシアが軍事介入に踏み切れば、21世紀は19世紀と変わりがないことになります。
クリミア戦争は1853年に露土間で始まり、列強の参戦を経て1856年にロシア敗北で終結しましたが、当時の国際社会はパワー・ポリティクスが支配的であり、あらゆる国際問題は軍事力によって解決されていました。一方、2度の世界大戦を経験した今日では、国際紛争の平和的な解決方法を模索し、様々な平和的な解決手段が考案されてきています。ウクライナの危機にあっても、平和的な解決を実現しないことには、150年を超える年月で蓄積した人類の経験知や教訓を無にしてしまうようなものです。そこで、まずはウクライナへの内政干渉の問題とクリミアの帰属問題を分離してはどうかと思うのです。クリミアについては、1954年にフルシチョフの一存で帰属がロシアからウクライナに変更になった経緯があり、住民もその6割がロシア系です。このため、高度な自治権を認められてはいますが、軍事・安全保障・外交といった権限はウクライナ政府にありますので、ロシアがクリミアに対して介入を試みている背景には、ウクライナにおいて親EU政権が誕生すれば、黒海におけるロシア艦隊の拠点であるセヴァーストポリを失う恐れがあります。親EU政権の誕生とセヴァーストポリ喪失が結びついていることが、ロシアの軍事行動を引き起こしているとすれば、クリミア問題を別途に扱うことで政府間交渉の場を設けることができます。クリミアの帰属問題に関しては、今日では、1944年5月にスターリンによって、所有権と公民権が剥奪され、中央アジアへ強制移住させられたクリミア・タタールの人々も帰還が実現していますので、ロシア系、ウクライナ系、タタール系の三者の合意の下で、帰属問題の最も一般的な平和的解決方法として、住民投票を実施することも一案です。あるいは、ウクライナの主権の下で、クリミア自治共和国に外国軍隊の駐留に関する権限を認めるといった方法もあります(クリミアの独立案も含めて、少なくとも3案ぐらいは提起されてもよいのでは…)。
仮にロシアが、軍事力でウクライナからクリミアを奪い、さらには、東部を制圧するなりますと、ウクライナの対ロ感情は修復不可能なほどに悪化し、両国間の対立は地域の不安定要因ともなります。ロシアも、今後の長期的な影響を考慮すれば、平和的に問題を解決した方が、ウクライナとの協力関係の基盤を失わずに済みますし、国際社会からの批判も回避できます。ロシアには、全人類のために、ウクライナへの軍事侵攻だけは、踏みとどまっていただきたいと思うのです
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*本記事は、同日22時33分に修正。
ウクライナでの政変を機に、クリミア半島では、ロシアの軍事行動次第では”第二次クリミア戦争”の勃発さえ懸念されるようになりました。仮にロシアが軍事介入に踏み切れば、21世紀は19世紀と変わりがないことになります。
クリミア戦争は1853年に露土間で始まり、列強の参戦を経て1856年にロシア敗北で終結しましたが、当時の国際社会はパワー・ポリティクスが支配的であり、あらゆる国際問題は軍事力によって解決されていました。一方、2度の世界大戦を経験した今日では、国際紛争の平和的な解決方法を模索し、様々な平和的な解決手段が考案されてきています。ウクライナの危機にあっても、平和的な解決を実現しないことには、150年を超える年月で蓄積した人類の経験知や教訓を無にしてしまうようなものです。そこで、まずはウクライナへの内政干渉の問題とクリミアの帰属問題を分離してはどうかと思うのです。クリミアについては、1954年にフルシチョフの一存で帰属がロシアからウクライナに変更になった経緯があり、住民もその6割がロシア系です。このため、高度な自治権を認められてはいますが、軍事・安全保障・外交といった権限はウクライナ政府にありますので、ロシアがクリミアに対して介入を試みている背景には、ウクライナにおいて親EU政権が誕生すれば、黒海におけるロシア艦隊の拠点であるセヴァーストポリを失う恐れがあります。親EU政権の誕生とセヴァーストポリ喪失が結びついていることが、ロシアの軍事行動を引き起こしているとすれば、クリミア問題を別途に扱うことで政府間交渉の場を設けることができます。クリミアの帰属問題に関しては、今日では、1944年5月にスターリンによって、所有権と公民権が剥奪され、中央アジアへ強制移住させられたクリミア・タタールの人々も帰還が実現していますので、ロシア系、ウクライナ系、タタール系の三者の合意の下で、帰属問題の最も一般的な平和的解決方法として、住民投票を実施することも一案です。あるいは、ウクライナの主権の下で、クリミア自治共和国に外国軍隊の駐留に関する権限を認めるといった方法もあります(クリミアの独立案も含めて、少なくとも3案ぐらいは提起されてもよいのでは…)。
仮にロシアが、軍事力でウクライナからクリミアを奪い、さらには、東部を制圧するなりますと、ウクライナの対ロ感情は修復不可能なほどに悪化し、両国間の対立は地域の不安定要因ともなります。ロシアも、今後の長期的な影響を考慮すれば、平和的に問題を解決した方が、ウクライナとの協力関係の基盤を失わずに済みますし、国際社会からの批判も回避できます。ロシアには、全人類のために、ウクライナへの軍事侵攻だけは、踏みとどまっていただきたいと思うのです
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*本記事は、同日22時33分に修正。