本日の産経新聞の一面に、慰安婦問題について激しい対日批判を展開しクマラスワミ報告に関連して、櫻井よしこ氏が中国の時代感覚について記事を寄せておりました。同報告書には、第二次世界大戦当時の出来事とは到底考えられない描写が、元慰安婦の証言として掲載されているというのです。
クワラスワミ報告に登場する荒唐無稽な表現とは、”慰安婦をくぎの板にころがし、首を切る”とか、”池を掘って蛇で満たし、慰安婦を突き落として殺し、最後に埋める”といった残酷物語なそうです。日本人が読んだら、即座に偽証と分かるのですが、それもそのはず、この表現、司馬光が編纂し、1084年に完成した歴史書である『資治通鑑』に掲載されており、中国に実在した残酷刑と言うのです。同書が扱っている時代は、紀元前403年から959年ですので、実に、1000年も前の記述なのです。それでは、何故、千年も前に書かれた記述が、今日にあって、国連の報告書に出現したのでしょうか。櫻井氏は、膨大な量の史書にも拘らず、毛沢東は17回もこの書を読んでいたと指摘しておられます。『資冶通鑑』は帝王学の書ともされており、毛沢東は、中国の頂点に君臨する者として、歴代皇帝を真似て、同本を参考にしたのでしょう。上記の証言は、北朝鮮出身の元慰安婦のものとのことですので、中国、並びに、中国の影響下にある北朝鮮では、毛沢東主義と共に、こうした残酷刑に関する知識も広がっていたのかもしれません。あるいは、誰も違和感を感じなかったとしますと、中国も朝鮮半島も、『資治通鑑』の時代から、然して変わりはなかったとも考えられるのです。
毛沢東が『資治通鑑』を愛読し、その手法を大いに学び、実践していたとしますと、国際社会における中国の台頭は、世界を1000年以上タイムスリップさせる可能性があります。そして、ISILもまたマホメットの生きた時代への回帰を唱えていることを考えますと、1000年以上に及ぶ時代感覚の違いは、慰安婦問題に限らず、様々な場面で国際社会の波乱要因となるのではないかと思うのです。
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毛沢東が『資治通鑑』を愛読し、その手法を大いに学び、実践していたとしますと、国際社会における中国の台頭は、世界を1000年以上タイムスリップさせる可能性があります。そして、ISILもまたマホメットの生きた時代への回帰を唱えていることを考えますと、1000年以上に及ぶ時代感覚の違いは、慰安婦問題に限らず、様々な場面で国際社会の波乱要因となるのではないかと思うのです。
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