万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国の”経済戦略”はゴールドマン・サックスのため?

2015年03月06日 15時27分23秒 | 日本経済
 本日の日経新聞に、日本国の電力自由化に伴う電力先物3商品の導入に関する記事が掲載されておりました。そもそも、電力市場の自由化とは、その実、電力市場が投機の場となることをも意味しておりますし、結局は電力料金の値上がりを招きますので、反対の声も少なくありません。

 ところで、この記事で、もう一つ注目されることは、今月6日に始まる協議会に、ゴールドマン・サックス証券が金融の専門家が招かれていることです。近年の動きを見て気付くことは、日本国の国家戦略と銘打ちながら、ゴールドマン・サックスへの利益誘導が露骨なほどに目立っていることです。再生エネ法が施行され時には、ゴールドマン・サックスは、3000億円の投資を計画し、韓国のLS産電と組んで日本最大のメガソーラ事業を開始しています。また、年金基金の運用の多様化に際しても、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、昨年から、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを運用委託先に選定しました。日本国政府が何らかの政策を実施するたびに、ゴールドマン・サックスの名が挙がるのですから、否が応でも不自然さが目につきます。しかも、インフラ事業や公的事業に集中しており、どの事業も、結局、日本国民の負担が増えるものばかりなのです。また、ゴールドマン・サックスは、採用を通じての人脈作りにも周到であり、福田康夫元首相やソフトバンクの孫氏などの親族も社員との情報も伝わっております。

 かつては、政治家による利益誘導は国内の問題とされましたが、市場のグローバル化を背景に、外資系企業への利益誘導も懸念しなければならない時代を迎えているのかもしれません。経産省には、国民の利益を第一に考えて、政策を立案していただきたいと思うのです。

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コメント (2)
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