万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国の外国人起業特区は国籍を問わない?

2015年03月07日 15時41分09秒 | 日本経済
 日本国政府は、外国人が起業しやすいように、条件を緩和した特区を設ける方針のようです。この特区、全ての国籍の外国人に開放するのでしょうか。

 仮に、外国人起業特区において国籍を全く問わないとしますと、当然に、中国籍や北朝鮮籍の外国人も特区の優遇措置の下で起業することが予測されます。しかしながら、これらの諸国では、外国人の企業の自由が許されておりませんので、一方的に、日本国側が、特権を付与するようなものです。せめて相互主義にしませんと、不平等条約の国内法化となります。また、台湾では、中国との間の投資・サービス協定の締結が激しい学生運動を引き起こしましたが、日本国も、中国系の安価な製品やサービス業の進出によって市場を侵食され、やがて中国経済に飲み込まれるリスクが高まります。しかも、設立された中国系企業が、資金を持て余している共産党幹部やその親族が出資する、あるいは、経営するともなれば、政治的リスクも無視できなくなります(対中防衛力を増強しても、内側から支配されてしまう…)。加えて、朝鮮半島リスクも懸念されます。朝銀の存在が示すように、国交が存在しないにも拘わらず、在日北朝鮮人による起業は既に可能なようです。しかしながら、朝銀救済で日本国から多額の公的資金が投入されたように、北朝鮮人が起業した企業が何らかの問題を起こした場合、日本国政府が責任を負わされる可能性があります。もっとも、この問題は北朝鮮に限らず、日本国の法律に基づいて設立された企業は、どこの国に所属する法人なのか、という問題を提起しています。WTOなどでは、所属先の国の政府が損害を受けたと主張する企業に代わって紛争の当事者として解決に当たりますが、日本国政府は、新たに特区で起業された法人の保護義務を負うのでしょうか。

 中国、韓国、北朝鮮といった諸国は、法の支配を尊重しておりませんので、特区の設置により、日本国においてこれらの諸国系の企業が増加しますと、日本市場のリスクも比例して上昇することでしょう。リスクに対する甘さは、将来、回復困難な災難を招くことになるのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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