参加視野に積極対応を=アジア投資銀で日本政府に―福田元首相(時事通信) - goo ニュース
中国主導のAIIBの設立については、安全保障上の問題点も指摘されておりますが、この構想には、工事費や技術面における問題も山積しているようです。
AIIBに参加を表明した諸国、特に欧州諸国は、現在の”陸のシルクロード”である欧州市場と中国市場を結ぶ鉄道(高速鉄道?)の建設に期待をしているものと推測されます。一方、中国が、中東の油田地帯や中央アジアの天然ガス等を直接に中国市場に供給するパイプラインの建設計画に融資先を決めるとしますと、AIIB設立協定の内容次第でもありますが、参加国として、何らかの方法で内部から阻止に動くかもしれません。このため、”陸のシルクロード”のためのプロジェクトが融資先となる可能性としては高いのですが、その実現性と経済効果には、疑問を抱かざるを得ません。高速鉄道ともなりますと、厳格な安全基準が設定されるものですが、砂漠地帯を通過するため、安全性を確保することは容易なことではありません。彷徨える湖ロプノールで知られるように、砂漠は常に風力によって移動しており、砂嵐が吹けば、一晩で砂に埋もれることも少なくありません。となりますと、日本国のリニアモーターカーのように、チューブの中に車体を走らせるか、あるいは、砂漠の地下を通すしかありませんが、総工費は天文学的な数字となります。しかも、先に前例のない大工事となりますので、予期せぬ事態も発生することでしょう。それでも、コストに見合った経済効果があればよいのでしょうが、中国人観光客を大量にヨーロッパの観光地に輸送するだけならば、飛行機の方が低コストで短時間で目的地に到達するでしょうし、停車駅の誘致に失敗した国や地域では、何らのメリットも享受できず、逆に人口流出による過疎化が進行するかもしれません。
シルクロードの復活計画にロマンを感じる人も少なくないのでしょうが、プロジェクトの詳細を詰めて具体化する過程で、砂上の楼閣の如く、幻のシルクロードに終わる可能性も否定できないのではないかと思うのです。
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シルクロードの復活計画にロマンを感じる人も少なくないのでしょうが、プロジェクトの詳細を詰めて具体化する過程で、砂上の楼閣の如く、幻のシルクロードに終わる可能性も否定できないのではないかと思うのです。
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