中国、AIIB主導権堅持を強調 「拒否権放棄」報道を否定(フジサンケイビジネスアイ) - goo ニュース
”AIIBの決定手続きにおいて中国は拒否権を持つか、否か”という問題については情報が錯綜しており、今のところ判然としない状況にあります。欧州諸国の参加に際して、中国は拒否権を放棄したと報じられる一方で、中国自身はこの報道を否定しているからです。
その一方で、中国は、既に”拒否権”を単独で発動していた模様です。報じられるところによりますと、今年2月に北朝鮮がAIIBに加盟を申請したところ、経済・金融制度が参加基準に達していないとして拒否したというのです。もちろん、北朝鮮は、国連の経済制裁を受けている国ですので、拒絶されて当然なのですが、中国に参加国に関する単独決定権があるとしますと、将来に問題を残すことになります。北朝鮮のみならず、核開発問題で揉めているイランが参加を希望した場合はどうなるのでしょうか。創設メンバーとはならなくとも、”参加レベルに到達した”として、追加メンバーとなる可能性もあります。また、仮に、協定において理事会が設置され、開催された理事で欧州諸国が反対したとしても、議決権の大半を握る中国、あるいは、親中諸国のサポートを受けて賛成票を投じれば、北朝鮮やイラン等の参加も実現します。設立協定は未作成の段階なそうですが、参加資格に”国連の制裁対象国ではない”といった条件を付けるなどしませんと、AIIBは、国際社会における制裁対象国に対する迂回融資ルートともなります。
さすがの中国も、北朝鮮が参加するとなれば欧州諸国をはじめ多数の参加国を集めることは難しいと判断し、”北朝鮮外し”あるいは”北朝鮮隠し”を決断したのでしょうが、この危機は完全に去ったわけではありません。果たしてAIIBの参加国は、今後の設立協定の作成過程において、参加国に関する中国の拒否権発動、あるいは、中国を中心とした多数派形成を阻止できるのでしょうか。
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”AIIBの決定手続きにおいて中国は拒否権を持つか、否か”という問題については情報が錯綜しており、今のところ判然としない状況にあります。欧州諸国の参加に際して、中国は拒否権を放棄したと報じられる一方で、中国自身はこの報道を否定しているからです。
その一方で、中国は、既に”拒否権”を単独で発動していた模様です。報じられるところによりますと、今年2月に北朝鮮がAIIBに加盟を申請したところ、経済・金融制度が参加基準に達していないとして拒否したというのです。もちろん、北朝鮮は、国連の経済制裁を受けている国ですので、拒絶されて当然なのですが、中国に参加国に関する単独決定権があるとしますと、将来に問題を残すことになります。北朝鮮のみならず、核開発問題で揉めているイランが参加を希望した場合はどうなるのでしょうか。創設メンバーとはならなくとも、”参加レベルに到達した”として、追加メンバーとなる可能性もあります。また、仮に、協定において理事会が設置され、開催された理事で欧州諸国が反対したとしても、議決権の大半を握る中国、あるいは、親中諸国のサポートを受けて賛成票を投じれば、北朝鮮やイラン等の参加も実現します。設立協定は未作成の段階なそうですが、参加資格に”国連の制裁対象国ではない”といった条件を付けるなどしませんと、AIIBは、国際社会における制裁対象国に対する迂回融資ルートともなります。
さすがの中国も、北朝鮮が参加するとなれば欧州諸国をはじめ多数の参加国を集めることは難しいと判断し、”北朝鮮外し”あるいは”北朝鮮隠し”を決断したのでしょうが、この危機は完全に去ったわけではありません。果たしてAIIBの参加国は、今後の設立協定の作成過程において、参加国に関する中国の拒否権発動、あるいは、中国を中心とした多数派形成を阻止できるのでしょうか。
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