万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の対日”侵略”連呼は自らの侵略を隠すため

2015年03月25日 15時53分44秒 | アジア
中国の国防費増額に首相「日本も負けない形で予算措置」(産経新聞) - goo ニュース
 1960年代に核開発に成功して以来、中国の核大国化は否定のしようもない事実です。NPT体制にあって、核保有国の一国として”核武装”しており、常識的に考えれば、中国を侵略しようとする国などないはずです。”核の抑止力”が働いているのですから。

 それでは、何故、中国は巨額の予算を軍事分野に投入しているのでしょうか。純粋に防衛目的であれば、軍事費に多額の予算を割く必要はないはずです。実のところ、他国から侵略を受ける脅威がほとんど存在しない中国には、軍拡を説明する正当な理由がないのです。理由があるとすれば、何れも、国際法違反であり、国際社会おいて到底認めることができない目的ばかりです。自ら侵略したチベットや東トルキスタンの独立運動を軍事力で抑え込むこと、周辺諸国との紛争を武力で解決すること、軍事力でアジア諸国を自らの属国となし、アジアの盟主となること、アメリカを軍事技術においても抜き去り、世界大に中国中心の華夷秩序を打ち立てること…。また、国内的な目的があるとすれば、人民解放軍を予算の面で優遇することで軍の完全掌握を図ること、あるいは、国民の不満が高まり、大規模な暴動が発生した場合に武力鎮圧すること…などが推測されます。中国の軍拡は、”平和的”どころか、全世界の安全を脅かしかねないのです。

 第二次世界大戦から70年目に当たる今年、中国は、戦勝記念の行事などにおいて、歴史認識の重要性を強調し、対日批判を強めています。しかしながら、過去の戦争を持ち出しての対日”侵略”連呼の目的は、自国の軍拡に正当な理由がないことの裏返しでもあります。日本国政府も国際社会も、中国の真の意図を見抜き、リアリズムに徹して対応を急ぐべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする