第二次世界大戦をめぐる評価に関しては、今夏に予定されている70年談話にも注文を付けているように、常々、中韓は、ドイツと比較して日本国には反省が足りないと責め立てます。戦争に至るまでの過程において日独の間には幾つかの違いがありますが、主要な相違点の一つとして、ドイツには、日本国が抱えていたようなアジアをめぐる葛藤が存在していなかったことを挙げることができるのではないかと思うのです。
明治維新後の日本国は、鎖国政策を放棄して国際社会の一員となるに際して、二つの問題に直面することになります。欧米列強諸国との不平等条約の締結を以って開国がなされたことは、日本国の国際社会における地位の低さを示していますし、当時のアジアは、植民地化されているか、あるいは、清国や李朝の如く、前近代的な専制体制がもたらす停滞と無気力に覆われていたからです。このため、日本国は、欧米列強と肩を並べ、植民地化されることなく、独立国として国際社会の一角を占めること、そして、アジア諸民族の期待に応えるべくアジアの未来を開くこと、この二つを、国家の目的として意識するようになります。後者の目的は、さらに、植民地支配からの解放と中韓の近代化に分けることができるかもしれません。つまり、戦前の日本国は、(1)国際社会における栄誉ある大国となること、(2)植民地支配を終焉させること、(3)中国大陸と朝鮮半島に安定と秩序をもたらすこと、の三つの目的を同時に追求したのです。しかしながら、これらの3つの目的を同時に達成することは、当時にあっては、実のところ、極めて困難でした。そして、この3つの目的の間の綱渡り的な日本国の対外政策は、第二次世界大戦を以って総決算を迫られることになるのです。
日本国は、第2の目的のために大東亜共栄圏の建設を掲げて米英蘭に戦いを挑みますが、連合国の視点からは、強欲な日本国が第一の目的を追求し、自らの支配領域を拡大したに過ぎないと決めつけられます。そして、第三の目的の追求は、結局、満州事変から日中戦争へと続く戦争をもたらし、ここでも、第1の目的のために侵略戦争を遂行したと断罪されます。平和裏に併合した韓国にまで、日本統治時代の近代化の功績は消し去られ、残酷な植民地支配として糾弾されているのです。第1の目的があったことは否定はしませんが、アジアの国であるからこその日本国の葛藤は、今日なおも、全く理解されておりません。当時、日本国が、有色人種の期待を一身に背負った国であり、それ故に先駆者としての使命感を抱いていたことは、第二次世界大戦の理解には欠かせない側面ではないかと思うのです。
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明治維新後の日本国は、鎖国政策を放棄して国際社会の一員となるに際して、二つの問題に直面することになります。欧米列強諸国との不平等条約の締結を以って開国がなされたことは、日本国の国際社会における地位の低さを示していますし、当時のアジアは、植民地化されているか、あるいは、清国や李朝の如く、前近代的な専制体制がもたらす停滞と無気力に覆われていたからです。このため、日本国は、欧米列強と肩を並べ、植民地化されることなく、独立国として国際社会の一角を占めること、そして、アジア諸民族の期待に応えるべくアジアの未来を開くこと、この二つを、国家の目的として意識するようになります。後者の目的は、さらに、植民地支配からの解放と中韓の近代化に分けることができるかもしれません。つまり、戦前の日本国は、(1)国際社会における栄誉ある大国となること、(2)植民地支配を終焉させること、(3)中国大陸と朝鮮半島に安定と秩序をもたらすこと、の三つの目的を同時に追求したのです。しかしながら、これらの3つの目的を同時に達成することは、当時にあっては、実のところ、極めて困難でした。そして、この3つの目的の間の綱渡り的な日本国の対外政策は、第二次世界大戦を以って総決算を迫られることになるのです。
日本国は、第2の目的のために大東亜共栄圏の建設を掲げて米英蘭に戦いを挑みますが、連合国の視点からは、強欲な日本国が第一の目的を追求し、自らの支配領域を拡大したに過ぎないと決めつけられます。そして、第三の目的の追求は、結局、満州事変から日中戦争へと続く戦争をもたらし、ここでも、第1の目的のために侵略戦争を遂行したと断罪されます。平和裏に併合した韓国にまで、日本統治時代の近代化の功績は消し去られ、残酷な植民地支配として糾弾されているのです。第1の目的があったことは否定はしませんが、アジアの国であるからこその日本国の葛藤は、今日なおも、全く理解されておりません。当時、日本国が、有色人種の期待を一身に背負った国であり、それ故に先駆者としての使命感を抱いていたことは、第二次世界大戦の理解には欠かせない側面ではないかと思うのです。
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