万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”韓国人元慰安婦被害は人身売買”は客観的な事実なのでは?

2015年04月02日 15時18分45秒 | 国際政治
安倍首相「人身売買」発言を歓迎=米国務省(時事通信) - goo ニュース
 安倍首相が、米紙のインタヴューの中で韓国人元慰安婦問題を「人身売買」と表現されたことを受けて、アメリカの国務省もまた、歓迎の意向を示したと報じられております。一方、韓国では、”政府の責任の否定している”として、反発を招いているようです。

 慰安婦に関して残されている歴史的な資料のほとんどは、慰安婦問題が、事業者の募集に際しての、詐欺的勧誘などの違法行為であったことを示しております。アメリカは、戦時期にあっても、また、近年にあっても戦争犯罪に関する徹底した調査を実施しておりますが、何れも、日本軍による韓国人女性達の強制連行を証明することは出来ませんでした。しばしば強制連行の証拠として挙げられるスマラン事件等も、戦後の国際軍事法廷で裁かれましたが、これは、オランダ人拘留女性に対する軍規違反による強制売春事件であり、内部調査によって事実を掴んだ日本軍自らが閉鎖しています。慰安所の設置や管理に関しては確かに日本軍が関わり、警察なども悪質な業者に対して取り締まりを実施しておりますが、日本国政府が、動員令を以って朝鮮半島の女性達を慰安婦の職に従事させたわけでも、日本軍が、軍事力を以って慰安婦の強制連行を実行した事実もありません。おそらく、韓国人元慰安婦の証言も含め(証言の変遷過程も…)、保存されている全資料を全世界に向けて公開し、公平な判断を求めれば、大多数の人々が、罪名の表現はどうあれ、韓国人元慰安婦の問題は事業者による違法勧誘等による犯罪と答えるのではないでしょうか。

 韓国の批判の裏には、日本国政府に慰安婦問題に関する責任を認めさせることで、謝罪と賠償を日本国から獲得しようとする策略が透けて見えます。そして、日米の「人身売買」とする表現は、このシナリオを大きく狂わすことになったのではないでしょうか。

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コメント (2)
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