中国主導「インフラ銀行」は巨大なリスクだ マスコミは欧州と金融の現場を知らなすぎる(東洋経済オンライン) - goo ニュース
AIIBの不透明性については、散々指摘されるところですが、設立を前にして、僅かながらもその構想の一端が漏れ伝わるようになりました。未確認情報ではありますが、AIIBが採用する融資通貨は、人民元なそうです。
元建て融資となれば、インフラ事業の実施に際して元払いが可能となる中国系起業や中国人建設労働者が有利となります。また、現地企業や他の国の企業が受注した場合でも、元払いとすれば、元が流通する範囲が広がります。インフラ事業は、現場における長期の建設作業を要しますので、元は、現地住民による日常の商品売買にまで浸透してゆくかもしれません。元建融資に込められた中国の野望とは、”元通貨圏”をも兼ねた広域的な中国経済圏の建設なのでしょう。しかしながら、この構想は、あくまでも中国が追求している野望であって、他の参加諸国にとりましては、高いリスクが伴います。巨額の融資を受けてインフラを整備しても、中国企業の進出ラッシュに見舞われ、自国の産業が育つ前に、中国経済に飲み込まれる可能性があります。また、AIIBが人民元融資で運営されるとしますと、AIIB債の発行による資金調達とは限らず(ADBの場合は、現地通貨建てで起債…)、中国の中央銀行である中国人民銀行から、何らかの形で人民元のファイナンスを受ける可能性もあります(低利融資であれば、後者の可能性は否定できない…)。”元通貨圏”に組み込まれた諸国は、貿易決済における元の使用のみならず(人民元の地域的基軸通貨化…)、将来的には、自国の経済も、中国の一方的な金融政策のコントロール下に置かれかねないのです(人民元の共通通貨化…)。
AIIBにおいて低利融資が実現したとしても、果たして、こうしたリスクを冒してまで融資を受ける国があるのでしょうか…。参加を表明した諸国は、AIIBに対してより強い警戒心を抱いてもよいのではないかと思うのです。行く先不明のバスに乗り込んでしまっているのですから。
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元建て融資となれば、インフラ事業の実施に際して元払いが可能となる中国系起業や中国人建設労働者が有利となります。また、現地企業や他の国の企業が受注した場合でも、元払いとすれば、元が流通する範囲が広がります。インフラ事業は、現場における長期の建設作業を要しますので、元は、現地住民による日常の商品売買にまで浸透してゆくかもしれません。元建融資に込められた中国の野望とは、”元通貨圏”をも兼ねた広域的な中国経済圏の建設なのでしょう。しかしながら、この構想は、あくまでも中国が追求している野望であって、他の参加諸国にとりましては、高いリスクが伴います。巨額の融資を受けてインフラを整備しても、中国企業の進出ラッシュに見舞われ、自国の産業が育つ前に、中国経済に飲み込まれる可能性があります。また、AIIBが人民元融資で運営されるとしますと、AIIB債の発行による資金調達とは限らず(ADBの場合は、現地通貨建てで起債…)、中国の中央銀行である中国人民銀行から、何らかの形で人民元のファイナンスを受ける可能性もあります(低利融資であれば、後者の可能性は否定できない…)。”元通貨圏”に組み込まれた諸国は、貿易決済における元の使用のみならず(人民元の地域的基軸通貨化…)、将来的には、自国の経済も、中国の一方的な金融政策のコントロール下に置かれかねないのです(人民元の共通通貨化…)。
AIIBにおいて低利融資が実現したとしても、果たして、こうしたリスクを冒してまで融資を受ける国があるのでしょうか…。参加を表明した諸国は、AIIBに対してより強い警戒心を抱いてもよいのではないかと思うのです。行く先不明のバスに乗り込んでしまっているのですから。
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