最初の写真は、名古屋の金山総合駅コンコースに並ぶ「緑の公衆電話」です。10台ほどあります。ところが、この駅を毎日のように乗り降りする人の中にも「知らなかった」方が少なくないようです。
人間って、自分に必要のないものや関心が薄れたりすると、身近に存在していても目に入らなくなるものですね。僕もこのコンコースを結構歩いていますが、ブログで公衆電話を取り上げてみようと意識して初めて気づいたのです。
NTT東西などのデータによれば、携帯電話の普及によって全国の公衆電話はこの30年ほどの間に5分の1ぐらいになりました。でも、それが20万台ほどと知ると「結構あるな」と思いませんか。
これは大震災が起きた場合に備えてです。
大地震が発生すれば電気、ガス、水道だけでなく、携帯電話も通信の輻輳や通信規制、電池切れなどで使えなくなることも。パニックの呼び水になりかねません。
まさにライフラインである通信手段を少しでも確保しようというのが、大震災の場合でも比較的つながりやすいとされる公衆電話というわけです。
駅や役所、公園、公共建物、病院、大通り沿いの歩道、ホテルなど不特定多数の人々が集まるところに設置されています。かつてはいたずら防止のため設置場所は非公開でしたが、現在はネットでも公開されています。
ふだんから「公衆電話という助っ人もある」ということを周知しておかないと意味がない、との考えからです。
意識して街を歩くと、地下鉄のホームや公園などで結構目にします。名古屋の繁華街のひとつ、今池周辺の大通りを少し歩いただけで、交差点付近を中心にたちまち6,7か所の電話ボックスを見つけました。
ただ、地下鉄駅の電話の中には、硬貨の投入口が詰まっているのも。大通りでは電話機が取り外されたボックスもありました。
公衆電話の管理やメンテナンスの体制については知りませんが、大きな災害や事故のあとにしばしば目や耳にする「体制が十分でなかった。これからは・・・」なんてことは避けたいですね。
わずかですが「使用中」の光景にも出会いました。
それを見ていて思いついたことをひとつ。
携帯時代になったいま、当然ながら公衆電話の使い方を知らない世代が急速に増えているはずです。
大地震に備えた避難訓練では、小中高生らを中心に若い世代に対する公衆電話の使用訓練も必要になってきたのではないでしょうか。