風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「全て現場で描いた個展『絵描きの旅、街歩き』絵画展を拝見」

2017-10-19 17:23:26 | アート・文化

「絵描きの旅、街歩き」
定年後、絵描きを趣味にした人なら、誰しも夢見るようなタイトルを付けた淡彩画の個展が、名古屋・栄の市民ギャラリー開かれているのを知り、出かけてきました。22日(日)まで。 

愛知県日進市在住の筒井敏彦さん(74)。
絵描きの世界に入ったのは「65歳の定年を過ぎてから。しばらくブラブラしていたけど『何もしないでいたら、足腰も弱ってしまう』と思ったから」だそうです。
それまで絵は初心者でしたが、教室に入るわけではなく、スケッチブックとサインペン、顔彩を手にすると、ひとりで街に飛び出しました。 

街なかや郊外へ出かけ描くものを選ぶと、じっくり構図を決めて、座ります。
ペンを走らせ、彩色が終わるまで動きません。完成しなければ、翌日来て、同じ場所に座り、続きを描きます。

「だから、天候を見て雨が降りそうだったら、最初から軒下とか山門の下に陣取るのです」
「写真は撮りません。写真に頼っては現場の雰囲気が伝わらない、と思うからです」

こうしたこだわりは、海外に出かけても同じだそうです。
「安いホテルに泊り、同じ町に1週間ぐらい滞在することも。だから一般的なツアーではなく、一人旅になります」

展示された作品は、この1年間に描いた絵から選んだハガキ大から6号サイズまで67点。淡く、爽やかな絵に引き込まれます。
全国各地の城や伝統的な建造物だけでなく、名古屋港や名古屋駅、栄や大須の街、海外ではイタリア、スイス、フランスなど。僕も出かけたところが結構ありますが、構図の取り方、余白の美など、いくつも学ばせてもらいました。